眠りについて聞く
【インタビューVol.1】前編 スリープトレーナー/ヒラノマリさん。睡眠をパフォーマンスアップの武器にするには?
各分野で活躍する睡眠のプロフェッショナルにインタビューしていくシリーズ!
記念すべき第1回はアスリート専門の睡眠のパーソナルトレーナーとして活躍するヒラノマリさん。じぶんまくら岐阜店へお越しいただき、広報担当のいしかわがお話を聞いてきました。
Index
睡眠をパフォーマンスアップの武器にする
いしかわ:
本日は日本で唯一のスリープトレーナー、ヒラノマリさんにお話を伺います。
スリープトレーナーという職業は一般的に聞き慣れない方も多いと思うのですが、具体的にどんな活動をされているか教えていただけますか?
ヒラノさん:
一言で言うと、アスリートに特化した睡眠のパーソナルトレーナーです。日本で私一人なので、聞き慣れない方もいると思います。普段は、日本人メジャーリーガーやプロ野球選手、あとは五輪のメダリストの選手に対して、睡眠のサポートや寝具選び、ときにはパジャマ選びまでアドバイスすることもあります。
また一般企業のビジネスマンの方にもセミナーを開いたり、睡眠に関する講演等もしています。元の軸はアスリートの睡眠だけれども、そこから派生をして『睡眠』を切り口に、いろんなお仕事をさせていただいております。
いしかわ:
とても幅広い活動ですね。
そういったアスリートやプロスポーツ選手の睡眠指導をされている中で、特に意識されていることはありますか?
ヒラノさん:
特に意識していることは、睡眠をパフォーマンスアップの武器にするにはただ眠るだけでは十分ではないということです。
アスリートの睡眠を考える上では3段階あります。具体的には睡眠のピラミッド型で、睡眠の改善 というところから、睡眠を味方につける、そして最終段階は睡眠を武器にする。
『睡眠を武器にする』段階に行くためには、 攻めの睡眠と守りの睡眠が両方大切になります。疲労回復が目的の守りの睡眠、パフォーマンスアップが目的の攻めの睡眠。
これを自分のコンディションや試合スケジュールに合わせて使いこなそうっていう話をしています。
私も事前に選手から遠征とか試合スケジュールをいただいて、それに合わせて「こう眠ろう」とか、 「バスの中はこう過ごそう」っていうアドバイスをしたりします。
いしかわ:
攻めの睡眠っていう言葉は初めて聞きました。何か目標があって、それを達成したいスポーツ選手や自分のコンディションを最大限に持っていきたい方にとっては興味深く、新しい概念だなと思い勉強になりました。
ヒラノさん:
これだけ 忙しい現代人がちゃんと休息をとることはなかなか難しくなってきていると思うので、睡眠に対しての戦術っていうのも必要なんじゃないかなとは思いますね。
戦術を立てる上では、客観的にみた第三者のアドバイスが役に立ちます。
私は結構遺伝子検査とか、スマートウォッチで取れる睡眠データなど科学的な根拠も入れながらサポートすることを意識 しています。
忙しくて睡眠時間を十分に確保できないときは?
◇ここから睡眠にまつわるお悩みをお聞きしていきます。
Q1.忙しくて睡眠時間を十分に確保できない方にどんなアドバイスをしていますか?
A1.1週間単位で睡眠をマネジメントすること。そして自分の苦手科目をみつけることが有効です。
睡眠って1日1日で皆さん評価してしまいがちですが、私は1週間単位で睡眠をマネジメントすること推奨しています。
忙しい時期が続いたり出張が続けば、起床時間も早くなり睡眠時間が短くなってしまうこともあると思います。ただトータルで考えた時に、 1週間分の睡眠時間や睡眠の内容がいつもと同じだったら良しと考えて大丈夫です。
また睡眠の質をあげていくには量も大切になるので、まずは1日15分だけでもいいから、睡眠時間を伸ばしていくことがおすすめです。
あとは、自分の睡眠の苦手分野を探すことも大切です。人によって眠れない原因はさまざま。寝具が合っていないと考えがちですが、実は室内の光が原因の場合もありますし、自律神経が原因の方もいらっしゃいます。原因によって、対処方法とかアドバイスが変わってくるので、まずは自分の睡眠の苦手科目を探してみてください。
出張先でもしっかり眠るには?
Q2.出張先など環境が毎日同じではない中で、しっかり睡眠を取るコツはありますか?
A2.ずばり脳内散歩です。
アメリカのブラウン大学の研究によると、初めて泊まる宿泊地では半球睡眠といって脳が半分しか休まっていない睡眠の仕方になってしまうという論文があります。イルカや渡り鳥が敵を警戒しながら眠っている状態に近い状態ですね。しかし2回目以降では脳の警戒モードが解かれていたのです。
それで編み出したのが脳内散歩です。
事前に泊まるホテルや宿泊地の写真をSNSとかホームページで見てもらって、事前に脳の中でお散歩してもらい、訪れたことがある場所かのように脳を錯覚させます。
今のところ選手も全員この方法で眠れるようになっているので、ぜひ試してみてください。
ストレスや心配事があってなかなか寝付けない時の対処法は?
Q3.ストレスや、心配事があってなかなか寝付けない時の対処法を教えてください。
A3 .おでこを冷やすことが有効です。
ストレスを感じると、交感神経が優位になってしまって、深部体温も上がってしまいます。(深部体温とは脳や臓器など体の内部の温度のこと)
アスリートの方も、今日投げた試合のあの球がダメだったとか、ホームラン打たれちゃったとか、脳内でリピートされて寝付けない選手もいます。そういう方におすすめをしているのが、冷却シートをおでこに貼って寝ることです。
ピッツバーグ大学の研究で、不眠症の方は他の方よりも脳の温度が高いっていう研究結果が出ています。前頭葉を冷やすことによって脳の温度も下がって、寝付くまでの時間が短くなったっていう研究結果が出ています。
睡眠のお悩みが増えやすい時期はいつですか?
Q4.1年の中で睡眠のお悩みが増えやすい時期はいつですか?
A4 .冬と夏が多いです。冬の睡眠のお悩みは女性の方が多くて、夏の睡眠のお悩みは男性の方が多いです。
季節のお悩みには睡眠環境の見える化をしてもらっています。寝室に温度と湿度が分かる温湿度計を1つ置いて、それを見てエアコンや加湿器で温度と湿度を調整します。
冬の寝室環境は室温が16度から19度 で、湿度が50パーセントを保ちます。
冬になってくると眠くて起きられないとか、布団から出たくないって方多いと思うんですけど、そういう方にもぜひ試していただきたいのが、起床する30分ぐらい前からタイマーを使って寝室をあっためておくこと。深部体温を上がりやすくしてあげるのも冬の睡眠のポイントです。
まとめ
今回は睡眠に関する様々なお悩みについての対処法を教えていただきました。是非参考にしてみてください。
後編では、寝具の重要性やベスコンピローのレビューについてたっぷりお聞きしていきます。
お楽しみに!!
▼ヒラノマリさんにお越しいただいた店舗はこちら
-2024年にOPENした東海地区最大級の路面店-
じぶんまくら岐阜店
[ 住所 ]岐阜県岐阜市市橋4丁目5-6
[ TEL ]058-216-2351
[ 営業時間 ]10:00~19:00
[ map]https://maps.app.goo.gl/YL6LB8SwEV83g8BUA
スリープトレーナー
ヒラノマリ