眠りの特集

ダニがいると何が困るの? 寝具とダニの関係

朝起きるとくしゃみや鼻水が出て、目がかゆい…。もしかするとダニが原因かもしれません。
今回は気づきにくい『ダニ』が健康・体調へどのような影響を与えるのか、なぜ困るのかについてご紹介いたします。

ダニとは?

屋内にはチリダニが多い

家の中で生息する種類は『屋内塵性(おくないじんせい)ダニ』と総称され、「ヒョウヒダニ(チリダニ類)・コナダニ類・ツメダニ類」が多く、その中でもチリダニが7~9割を占め、「ツメダニ類」は人を刺すこともあります。

ダニ拡大・イメージ画像

ダニ拡大・イメージ画像

ダニの大きさは0.2mm~1mmほどと言われ、肉眼では小さな点くらいにしか見えません。
見えたとしてもダニだとはわからないほど小さいため、家の中で増えてしまっても気づきにくいのです。
ダニは人の服やペットの毛などに付いて屋外から侵入することもあり、すべて防ぐことは難しいため、家の中で繁殖させないよう対策を行うことが大切です。

ダニがいると何が困るのか

ハウスダストアレルギーの恐れ

生きているダニだけでなく抜け殻・糞(ふん)、ダニの死骸などを触れたり吸い込んでしまうと、ハウスダストアレルギーの原因となってしまいます。
ほこりと一緒に空気中に舞い上がってしまう場合もあり、くしゃみ・鼻水や目のかゆみを感じたり、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などを引き起こすことがあります。

ダニの繁殖力

寝室内で多い「ヒョウヒダニ(チリダニ類)」は環境により差がありますが、およそ3ヶ月が寿命だと言われています。
卵から大人のダニになるまで約3週間ほどで、大人になると毎日2~3個の卵を産み、ダニが繁殖しやすい環境になると爆発的に繁殖。
ダニが増えれば増えるだけ、アレルギーの原因となる抜け殻や糞が増えてしまいます。

アレルギーはダニや花粉など、アレルギーの原因となる物質・アレルゲンとの接触時間が比例すると言われています。
肌が敏感な方や、アレルギー体質をお持ちではなく、健康な方も日頃からのこまめなお手入れをして、アレルゲンとの接触を減らすことが大切です。

約20~30℃・湿度60~65%以上で繁殖しやすい

ダニが繁殖しやすい温度と湿度

ダニが繁殖しやすい温度と湿度

ダニが繁殖しやすい環境は「温度が約20~30℃、湿度が約60~65%以上」と言われています。
繊維の隙間など潜む場所があり、ダニの餌(えさ)になるものがあるとより繁殖しやすくなります。

ダニの餌になるもの

人間の汗
毎日人はコップ一杯ほどの汗をかき、汗には尿とほぼ同じ成分が含まれていると言われています。また汗の湿気が溜まると、ダニが繁殖しやすい環境にもなります。
皮脂(ひし)
皮脂腺から毛や表皮に分泌される油脂状の物質で、肌や髪を乾燥から防ぐ役割があります。布団に付着するとニオイや黄ばみの原因になることも。
頭垢(ふけ)や垢(あか)
皮膚の新陳代謝により表面から剥がれ落ちるもの。

家の中でどこにダニが多い?

布団には数万匹のダニがいることも

布団の表面と内部のダニ数

布団の表面と内部のダニ数

布団や枕など、毎日使う寝具にはダニの餌になる汗・皮脂などが多いため、ダニが増殖しやすい環境になりがち。
繊維の隙間など潜める場所も多いため、掃除機をかけるだけでは取り除くことが難しく、よりダニが増えやすい場所のひとつです。
こまめに洗っていない布団などには、環境によっては数万匹のダニがいる場合もあります。

ダニの弱点は?

ダニは高温・乾燥に弱い

ダニは高温に弱く、約50~60℃以上の高温で死滅すると言われています。
また低湿度もダニの弱点で、湿度が約40%以下になると活発に動けず繁殖を抑えられますが、低湿度でも生き続けます。
湿度が上がってくるとまた活発に動き出してしまうので、湿度が低い季節にもダニ対策をしっかり行っておくことがおすすめです。

おすすめのダニ対策方法

室内の湿度を50%くらいに保ち、掃除をこまめに行う

ダニ対策は室内の湿度50%とこまめな掃除

ダニ対策は室内の湿度50%とこまめな掃除

換気が不十分だったり、外との気温差で結露が多いなど湿度が高い環境で、掃除が十分にできていないとダニが特に多くなる傾向があります。
冬は室温を維持して結露などで湿度が高くならないように対策を行い、夏は風通しを良くして湿度を抑えましょう。

週に1回以上は掃除機を

科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)より引用

科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)より引用

ダニ対策は掃除の頻度が最も大切。週に1回以上は掃除機をかけるなど、こまめな掃除・お手入れがおすすめです。
掃除の際は、ダニやほこりなどを吸い込まないように、マスクなどで鼻や口元を覆ってください。

まずは毎日眠る場所に増えやすい、ダニを知ることから

生きているダニだけではなく、その抜け殻や糞なども健康に影響を及ぼすと言われています。
布団や枕など寝具のダニ対策方法は別の記事でご紹介いたしますので、いい眠りのためにぜひご参照ください。

<参考文献>
「気管支喘息に対する喘息死の予防や自己管理手法の普及に関する研究」(カビ)及びダニ対策について
主任研究者:大田 健 分担研究者:国立病院機構相模原病院 釣木澤尚実 提供資料

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/150522.pdf

「科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124201.html

▼ おすすめ記事
寝具や寝室のダニ対策おすすめの方法~布団や枕・マットレスなどお手入れのコツ~
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筆者プロフィール

木野 いく

2014年寝具会社に就職。約9年間の経験を活かし、現在いい眠り.pressにて、寝具や睡眠の知識にまつわる記事を担当。 趣味は読書、散歩、寝ること。好きなものはチョコレート(長年手の湿疹に悩む…原因はチョコレート説あり)
2014年寝具会社に就職。約9年間の経験を活かし、現在いい眠り.pressにて、寝具や睡眠の知識にまつわる記事を担当。 趣味は読書、散歩、寝ること。好きなものはチョコレート(長年手の湿疹に悩む…原因はチョコレート説あり)

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