睡眠と子育て
眠る前のママやパパとの時間は宝物!子どもに読み聞かせしたいクリスマスとお正月絵本7選 Vol.1
毎日家事や育児、仕事に忙しいパパやママ。お子さんと視線を合わせてゆっくり会話をする時間もなく毎日が過ぎていくのではないでしょうか。お子さんも時間に追い立てられるように生活をしながら、パパやママに話したいことをグッとのみこんでいるかもしれません。
パパやママ自身の時間も取れない毎日を、いつも頑張っていらっしゃいますね!
そんな日々でも、一日数分お子さんだけと向き合うことで親子の心が安らぎや信頼関係を深める大切な時間を作れるのが「絵本の読み聞かせ」です。
特に眠る前は親子共にリラックスできる時間。お子さんも安心して眠れることでしょう。
そこで今回は、絵本の読み聞かせをすることで得られる親子のメリット、絵本の読み方、おすすめの絵本などをご紹介しましょう。
絵本の読み聞かせをすることで得られる親子のメリット3つ
絵本の読み聞かせは子どもの気持ちを満たすだけではなく、パパやママにもメリットがあるのです。おすすめしたい理由やメリットをご紹介しましょう。
①絵本の読み聞かせは「親子の会話」の時間になる
絵本を読むことは、大好きなパパやママの声を通してお話を聞くこと。パパやママの声は聞き慣れ、安心した声なので、それだけで子どもは大変安らぎます。
絵本を読むときは、ページを戻したり、本文にない会話も自然に生まれるでしょう。
「うちにもクリスマスツリーがあるね。」「おんなじだね!」
「あれ?さっきと何か変わったね」「見てみようか」
など、テレビや動画では得られない、その子のペースに合わせたやり取りができたり、会話が深まったりし、子どもの成長に気づいたり、親も子どもと話すことで癒される時間となることでしょう。
子どもの心はとても敏感です。早く読み終わらせたい‥‥‥。などと思いながら投げやりに読み聞かせると、すぐに気持ちに気づきます。そんな心持ちで読み聞かせをしてもらっても、子どもは嬉しさが半減し、親子の会話もはずまないでしょう。
義務感で読むことなく、パパやママも絵本を楽しもうという気持ちで読み聞かせてあげたいですね。
②「パパやママを独り占めできる!」と、宝物の想い出になる
いつも忙しいパパやママ。話しかけられても「後でね。」「早くご飯食べなさい」など、
子どもの話しをしっかり聞いてあげられなかったり、生活の中ですべきことを急かしてしまうものです。それはどこのご家庭でも同じです。
ですが、毎日ではなくてもどこかで子どもの話しに耳を傾け、親子だけの時間を作るこが大切です。そのような時間を持つことで、子どもは安心し心が安定します。またパパやママに対する信頼感が大きくなり、パパやママ以外の大人に対しても信頼できるように心が育っていくでしょう。
「自分のためだけに時間を割いてくれた。今は自分だけのパパ・ママだ!」と思えることは、子どもがこれから様々な社会で生きていく中で大きな力や自信となるでしょう。
またある程度文字が読めるようになっても、「読んで」と絵本を持ってきたときに「もう自分で読めるでしょう?」と拒絶せず「いいよ」と快く読んであげましょう。
子どもが成長し、文字が読めるのに絵本を自分で読まないのは「パパやママに甘えたい、何かを話すきっかけがほしい!」とおもっているからこそ。
そんないじらしい子どもの姿を見せてくれるのは、小さな頃だけ。親も子もきっと大きくなったらいい思い出になるはずです。
③パパやママの癒しの時間にもなる
忙しく時間に追われ、すっかり疲れ切った夜。本当は子どもと一緒にお布団に入り、パパもママも眠ってしまいたいくらいお疲れのことでしょう。
そんな疲れのたまった心と体に、子どもと一緒に絵本を読んでほっこりとする時間は、パパとママの癒しの時間にもなります。もちろん子どもも安心して、眠りにつけますね。
子どもの成長を感じたり、間近で子どもの顔を見たり、言葉を交わすことができるのは、例え短時間であっても、疲れが吹き飛ぶような幸せな時間なのではないでしょうか。
眠る前に本を読んであげられる時期は、子育ての中でたった数年のこと。
ぜひ、その幸せとお子さんの可愛らしさをかみしめる時間にしてみませんか。
絵本の読み方がわからない...!読み方のコツとは?
絵本の読み方のコツは特にありませんが、大切にしたいことをご紹介しましょう。
● タイトルや作者、出版社など、表紙に書いてあることを全て読む
● ストーリーを勝手に変えたりアレンジして読まない
● ページは行きつ戻りつしても良い
● 子どもが飽きたら途中でやめても良い、最後まで見るように強制しない
● 読んでいる最中に、子どもと会話をしても良い
● 読み終わったら裏表紙も見せてあげる。裏表紙にストーリーがまだ続いていることが多い為
● 子どもが絵本を自分で持ちたがったときは、持たせる
● 声色をつけすぎない(鬼のセリフなど個性を出し過ぎない)
● 何度も同じ絵本を読んでほしいと子どもがせがんだ場合は、同じ本を読む
● 毎日同じ本を読んでほしいとせがんだら、「違うのにしよう」などと否定せず同じ本を読む
必ず守らなければならないルールではありません。
ですが、頭の片隅に置いて読んであげましょう。
それでは、この時期のイベント「クリスマス」や「お正月」に関する楽しい絵本をご紹介します。
クリスマスやお正月、子どもに読んであげたい絵本7選
パパやママが小さかった頃から、この時代まで語り継がれ、内容が古くならないのが絵本。素晴らしいイラストとストーリーはどんな時代になっても、親子の胸を揺り動かし、感動を覚えることでしょう。
おすすめしたいクリスマスやお正月向けの絵本をご紹介します。
①「サンタクロースってほんとにいるの?」
てるおかいつこ・文 すぎうらはんも・絵/福音館書店
出典:福音館書店
子どもの誰もが思っているサンタクロースが本当に存在するのかどうか…その疑問に応えてくれる絵本です。サンタクロースって本当にいるのかな?と考え出すのは4歳の頃からでしょうか。最近は保護者がサンタクロースの正体を話してしまうご家庭もありますね。また、小学校卒業までは打ち明けない、子どもの夢を壊さないため説明することはない、など様々な考え方があります。
保育士としては、子どもの夢を壊さず自分から気づくときが来たとしても、サンタクロースという存在を心の中に留めておいて欲しい気がしますね。
色々な事情があり、社会情勢も踏まえ、サンタクロースは子どもの欲しいおもちゃを持ってきてくれないこともあるでしょう。そうであっても冬の夜空を見上げサンタクロースの存在を信じながら、あたたかなお部屋で子どもの心に寄添ってくれる、そんな絵本なのです。
②「コロちゃんのクリスマス」
エリック・ヒル作/評論社
出典:評論社
0歳から楽しめるコロちゃんのしかけ絵本。クリスマスのシリーズは、コロちゃんがかくれるのではなく、コロちゃんが隠れている自分のプレゼントを探すお話しです。
どこかな?あそこかな?しかけをめくると思わぬものや友達が!わくわく・どきどきするしかけですが、大変シンプルなので低年齢でも理解しやすいでしょう。
クリスマスの由来やサンタクロースの存在などを伝えるにはまだ難しい子どもへ、クリスマスの楽しさやわくわくとした雰囲気を伝えるのにはぴったり。
集団に向けて読むのも良いですが、マンツーマンで読むと子どもが自分でしかけをめくる楽しさも伝えることができます。「こんなところにいたね」「プレゼントないね、どこかな?」と気持ちに寄添った言葉をかけながら、ゆったりと読み聞かせたい絵本です。
③「マドレーヌのクリスマス」
ルドウィッヒ・ベーメルマンス作、江國香織・訳/BL出版
出典:BL出版
元気なマドレーヌシリーズのクリスマスのお話し。
「パリにある蔦のからまるお屋敷に12人の女の子が二列に並んで暮らしていました」
から始まる導入部分に、子どもたちはすぐにわくわくすることでしょう。修道院の寄宿舎で暮らす女の子たちや先生、ネズミまでもが、風邪で寝込んでしまいます。
元気なのはマドレーヌだけで、一生懸命みんなの看病をしています。そして、現れた魔術師の持つ魔法のじゅうたんでパパ・ママのところへ帰ります。クリスマスにいちばんうれしいプレゼントは家族と一緒に過ごすこと…そんなあたたかなメッセージが込められた、クリスマスの雰囲気を感じる絵本です。
④「ふたつのいちご」
林明子・作/福音館書店
出典:福音館書店
主人公のかすみちゃんは、おうちで作るクリスマスケーキのいちごを探しに行って、うさぎの家を見つけました。そこでもうさぎのお母さんがクリスマスケーキを作っています。いちごは見つかるのかな?優しいクリスマスのエピソードが、胸に響くお話しです。
動物が出てきますが擬人化しすぎることなく表現されているところが、子どもの身近な日常でもありそうな雰囲気。主人公の女の子の家庭でのあたたかな雰囲気が、裏表紙まで続いている楽しい絵本です。
⑤「よるくま クリスマスのまえのよる」
酒井駒子・作/白泉社
出典:白泉社
「ぼくには サンタさん くるかなあ。こないのかもしれないね、だって ぼく わるいこだから。きょう ママに いっぱい しかられたから」
子どもはみんなサンタクロースを楽しみにしています。お父さん、お母さんから叱られた時、サンタさん来ないよ?と言われているのを見かけるでしょう。保育の中でも、サンタさん見てるかもよ~なんてついつい言ってしまいますね。
そんな子どもの複雑な気持ちをあたたかく包み込み、代弁してくれるかのような絵本です。
「よるくま」独特の夜の世界感が子どもをぐっと引き付ける、ステキな絵本。クリスマスのまえの夜だけではなく、いつも読み聞かせてあげたい絵本です。
⑥「14ひきのもちつき」
いわむらかずお・作/童心社
出典:童心社
今の時代は、家庭でおもちつきをすることもなくなりましたが、昔はどの家庭でもお正月はお餅をついていました。そんな古き良き日本の風習を感じることもできる絵本です。
14匹シリーズは、一対一でできる家庭での読み聞かせにぴったり。ページを開くたび隅々までイラストをよく見ることで、多くの気づきがあるはずです。
はじっこまでちゃんと物語があり、次のページへとつながっていきますよ。大人よりも子どもの方が細かい部分まで見て発見し、楽しみます。
おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさん、子ども達でどんなおもちができあがるのでしょうか。
きっと読み終えるとお餅を食べたがりますよ!
⑦「おしょうがつさん」
谷川俊太郎・文 大橋歩・絵/福音館書店
出典:福音館書店
お正月ってなんだろう? どんな行事? と子どもが抱く疑問について応えてくれる絵本です。事実を淡々と描いているので、子どもは初めは黙って見ているだけですが、繰返し読むことで、リズミカルな言葉の並びに集中するようになっていきます。
かどまつ、おそなえ、おせち、おとしだまってなんだろう?小さな子どもがお正月について知ることができる、大切にしたい絵本です。
まとめ
忙しいパパやママが少しの時間だけでも子どもとの時間を濃密に過ごせるツールとして使える絵本について、眠る前に読み聞かせるメリットや、読み方のコツ、年代別のおすすめ絵本などをご紹介しました。「絵本読んで」「ママ!」「パパあそぼう!」と言ってくれる年齢は子育てをする時期の中のほんのわずかな期間だけです。お忙しい毎日ですが、眠る前のひととき、絵本を読んであげることはお子さんはもちろん、パパやママにとってもステキな想い出になるはず。
親子で安心した安らぎの時間のお供に、ぜひ絵本の読み聞かせを始めてみませんか。
筆者プロフィール
炭本 まみ