睡眠と子育て

保育園・こども園で「お昼寝をしない・嫌がる・泣く」と言われたらどうする?対処法5つ

4月に保育園やこども園へ入園し、もう2か月が経過するのに、お昼寝を嫌がったり、眠らなかったり、お昼寝の時間になると泣いたりするお子さんはいませんか?

担任の先生からお昼寝の時間のお子さんのお話があると、どうして皆と一緒にねむらないのかな?と不思議に思ったり、困ったりしますね。

お子さんに聞いても、「寝たくないの」「眠くないの」と話したり、お昼寝の時間が嫌で園に行くのを嫌がる子どももいます。

そもそもお昼寝は子どもにとってどんな必要性があるのでしょうか。お昼寝をしなかった場合、体や心にどのような影響があるのでしょうか。

3歳から4歳くらいまでの子どもには、夜の睡眠のほかにもお昼寝が必要だと言われていますね。

子どもが園生活を楽しくスムーズに送るひとつである「お昼寝」について詳しくお話しましょう。

子どもにはお昼寝が必要。子どもの体と心とは?

子どもの眠りのリズムとは、成長と共にどのように変わっていくのでしょうか。
子どもによって個人差はありますが、おおよその眠りのリズムをおさらいしましょう。

● 生後0か月から5か月くらいまで

夜は12時間程度睡眠。午前中に2時間、午後に3時間程度眠る。

● 生後6か月から3歳半くらいまで

夜は10時間から12時間程度睡眠。午前寝が無くなり午後3時間程度お昼寝をする。

● 4歳過ぎから6歳以降くらいまで

夜は10時間程度眠り、お昼寝はしなくなってくる。

子どもの眠る時間については、個人差や家庭環境などによって変わってくるので一概には言えません。この通りに眠っていなくても、元気なら大丈夫ですよ。

育園やこども園では、小学校入学へ向けて、4歳後半から5歳くらいになるとお昼寝をしない園もあります。本来のお昼寝の時間には、絵本を読んだり絵を描いたりなど、静かな活動をしたり、ごろごろと寝転がって過ごす園もあります。

集団生活は大人にとっては遊んでいるだけの時間と感じますが、子どもにとっては家庭とは違った環境で子どもなりに気を使いながら生活をしています。
お昼寝をすることで、心と体がしっかりと休まり、午後から夜眠るまでの活動時間に機嫌よく元気に過ごせます。

お昼寝をしないままでいると、機嫌が悪くなったり、大人の指示が聞けなくなったり、食欲が無くなったり、夕飯の時間に眠ってしまうなど、子どもにとっても周囲の大人にとってもあまり良いことはありません。

ただ、お昼寝をしなくても元気に機嫌よく過ごせる子どももいます。

それでも、集団生活の場でお昼寝をしないと先生に言われるとどうして良いかわからなくなってしまいますね。

子どもが園でお昼寝をしない理由はどのようなことなのでしょうか。

保育園・こども園で眠らない理由とは?

子どもが園でお昼寝をしない理由はどのようなことでしょうか。

①これまで家庭でのお昼寝の習慣がなかった

集団生活に入る前までは、おうちでママやパパと過ごしていたことでしょう。車でお出かけしたりお散歩などに出かけた時間が、お昼寝の時間(おおよそお昼ご飯の後から、午後3時くらいまでの間)をそのまま出先で過ごすと、移動中の車やベビーカーで短時間眠ってしまうということがあるかもしれません。
毎日決まった時間にお昼寝をしない、お昼寝そのものの習慣がないので、園で眠るのになかなか慣れません。

②園生活にまだ緊張している。リラックスできていない

入園してしばらくの間は、ゴールデンウィークがあったり、夏休みがあったりと、お休みの日も多く、なかなか園生活のリズムをつかみにくいものです。
初めての集団生活を経験しているお子さんは、毎日余計に緊張していることでしょう。
活動をこなして、いくら体や心が疲れていても、リラックスしていないと眠ることはできません。
園生活や担任の先生、クラスの友達に慣れてくることで少しずつ変わってくるかもしれません。

③眠ることに恐れを感じている

子どもは眠ることは意識を失うことと同じくらい恐れを抱くと言います。
眠いのになかなか眠ることができずに『寝ぐずり』をする赤ちゃんや小さなお子さんがいますが、意識が遠のくことでママやパパに会えなくなるという考えが働いているようです。
まだ園生活に慣れていないと余計に、慣れていない人の前で意識を遠のかせるということに対して無意識のうちに恐怖感を抱いているのかもしれませんね。

子どもが園生活の中でお昼寝をしない理由としては、以上のことが考えられます。
それでは、ご家庭ではどのようなことに気を付けたり対処したりできるでしょう。

次の項目で対処法をお話しましょう。

保育園・こども園で寝ないとき、おうちでできる対処法

園生活で眠れない子どももきっと辛い思いをしているはずです。先生に眠るように促されること自体が嫌!と思っているかもしれませんし、園のお布団へ横になることさえ嫌がっている子どももいるでしょう。
おうちでの対処法や、園の先生との連携の取り方について、詳しくお話します。

①生活リズムを見直そう

保育園やこども園に入園しているのなら、自然と生活リズムができてきます。
それでも、夜遅くまで起きていることを許したり、朝は出かけるまで寝かせておくことは、子どもの発達成長ホルモンにも影響が出てしまい、将来成人病になりやすくなると言われています。
子どもの眠る時間、起きる時間は毎日同じ時間に決めること、最低でも10時間以上は眠る時間を確保することを心がけたいですね。
また、朝はできるだけ子どもが眠っているうちにママ・パパの自分の支度を済ませたいと思う方がいるかもしれませんが、子どもはできるだけ早く起こしましょう。
少しお家の中で活動をし、おなかをすかせて朝ごはんを食べ、余裕を持って保育園に行けるよう、リズムを見直したいですね。
ママもパパも忙しくて大変かもしれませんが、習慣付くまでの間、頑張ってみませんか。

②保育園・こども園のお話を子どもとたくさんしよう

「お昼寝が嫌なんだって?」「今日はどこへお散歩に行ったの?」となるべく具体的な質問をなげかけて、園生活の会話を子どもとたくさんしましょう。
「今日どうだった?」と聞かれてもなかなか子どもは答えません。
具体的に聞くことで、色々な事柄を思い出し話してくれるでしょう。
その中でお昼寝をしないことに触れましょう。
「眠らなくてもいいよ。けれど体が疲れてしまうから、お布団にゴロンと横になってみてね。それだけでも心と体の疲れが取れるんだって。」などとお話してあげると、安心するかもしれません。また、そのように子どもに話したことを園の先生にも伝えておきましょう。
先生も同じように声をかけてくれると、子どもはより一層安心し、少しずつお昼寝ができるようになっていくはずです。

③お休みの日も生活リズムを崩さない=お昼寝をさせよう

これまではお休みの日は一日中お出かけしたり、遊んでいたりして、お昼寝をさせていなかったかもしれませんね。ですが、お休みの日もなるべく生活リズムを崩さないことが大事です。
大人にも言えることですが、お休みの日も早寝早起きをさせ、同じ時間に食事をさせ、たくさん体を動かして遊び、午後はお昼寝をすると、週明けの体調は万全になります。
また、保育園に何となく行きたくないという気持ちにもなりにくいものです。
明日お休みだから少しくらい遅くまで起きていてもいいかな?とリズムを崩すと、園でも眠りのリズムが崩れ、お昼寝の時間に眠くならず辛い思いをするかもしれません。

④担任の先生に子どもの状況をよく聞く


保育士や幼稚園の先生は、保育のプロです。
これまで何人ものお昼寝をしない・したくない子どもを見て関わってきているはずです。家庭でどのような関わりをしたらよいか聞いたり、家庭での取り組みをお話したりとたくさんコミュニケーションを取りましょう。
子どもの様子を聞いたり話すことは、情報共有となり、園と家庭で同じ関わりができるようになると子どもも安心します。先生もママも同じことを言っているなと感じると、安心してお布団に横になったり、少しの時間だけでも眠ったりできるようになりますよ。

➄保育園・こども園に慣れれば大丈夫です

大人と同じように子どもも疲れていたり眠かったりしても、頭が緊張状態にあれば眠ることができません。
繰り返しになりますが、園生活や担任の先生、友達との関係に慣れてくれば、園での生活リズムが身に付き、疲れてコトンとお昼寝できるようになります。
あまり心配はいりません。

4月〜6月位まではできない子も慣れればできるようになる!

園生活で子どもがお昼寝をしないと先生に言われたとき、家庭ではどうしたら良いのかを詳しくお話しました。
入園したばかりであれば、ゴールデンウィークを終えて水遊びがスタートする6月くらいから園生活に慣れてくるはずです。
子どもも眠れず辛いですし、ママ・パパも先生のお話を聞くと辛くなってしまうかもしれませんが、子どもは周囲の環境に適応するのが早いものです。
家庭での生活リズムを大切にしながら、ゆったりと園でのお話をし、時間をかけて慣れるのを待ちましょう。

筆者プロフィール

炭本 まみ

北海道生まれ北海道育ち。保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。保育士資格・幼稚園教諭免許・発達障害コミュニケーション指導者資格を保有。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。未だに子育てに行き詰ることはあるものの、子育て記事を執筆しながら、自分自身の子育ても振り返る日々。趣味はキャンプと旅行とカメラ。
北海道生まれ北海道育ち。保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。保育士資格・幼稚園教諭免許・発達障害コミュニケーション指導者資格を保有。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。未だに子育てに行き詰ることはあるものの、子育て記事を執筆しながら、自分自身の子育ても振り返る日々。趣味はキャンプと旅行とカメラ。

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