眠りの特集

掛け布団の種類と違い

眠りの質を良くするために、寝具選びにこだわりたい方へ。
今回は「掛け布団」について、種類や違いについてご紹介します。

掛け布団とは

掛け布団(かけふとん)とは、眠る時に身体の上に掛けて使う寝具のこと。
寒い時は身体から出る熱を逃がさず布団内に留めて、暑い時も体温が必要以上に下がったり、急激な気温差などで体が冷えないよう守ることが掛け布団の役割です。

日本は気温や湿度の変化が大きいため、季節や室温に合わせて使い分けができるよう、様々な種類の掛け布団があります。

タオルケット

タオル生地の薄めの掛け布団。春夏に多く使われる。冬用の掛け布団と重ねて使う場合も。

ガーゼケット

網目状のガーゼ生地を重ねた、薄めの掛け布団。春夏や、冬用の掛け布団と重ねることも。

毛布

織った生地(基布)に、毛足の長い毛羽を作る加工をしたものや、編み立てたもの。ウール、カシミヤ、綿、アクリル・ポリエステルなど様々な素材が使われ、それぞれの特徴によって掛け心地が異なる。

合わせ毛布
毛羽を立てた基布を2枚、裏返して重ね合わせたもの。ボリューム感があり暖かく毛羽が抜けにくい。
ニューマイヤー毛布

基布は1枚のまま両面に起毛させたもの。合わせ毛布と比べて軽くてやや薄めで、洗濯して乾きやすい。

その他の掛け布団

袋状の生地に詰め物を入れて、保温性を高めたもの。「掛け布団」と言われた場合、こちらのタイプを指すことが多い。
詰め物素材が空気を含んでふくらみ、空気の層が内部に生まれることで、より体温を逃しにくい。

掛け布団内部構造のイメージ図

掛け布団内部構造のイメージ図

中に詰める素材により、様々な呼ばれ方があります。

  • 綿布団(わたふとん):木綿(コットン)を詰めた掛け布団
  • 合繊布団(ごうせんふとん):ポリエステルなどの合成繊維を詰めた掛け布団
  • 羊毛布団(ようもうふとん):羊毛(ウール)を詰めた掛け布団
  • 真綿布団(まわたふとん):蚕の繭をわた状に引き伸ばした真綿を詰めた掛け布団
  • 羽毛布団(うもうふとん):羽毛を詰めた掛け布団

羽毛布団には、季節に合わせて中身の量を変えたタイプもあります。
(春夏用の肌掛け、春先や秋用の合掛け、冬用の本掛け・厚掛け)

また肌掛け布団の中には、合成繊維など詰め物を挟んでキルティング(2枚の布を縫い合わせる)した「キルトケット」と呼ばれるタイプもあり、羽毛を詰めた場合は「ダウンケット」とも呼ばれます。

掛け布団の詰め物によって寝心地が違う

掛け布団を選ぶポイントは、以下の4つ。

  1. 室温に適した保温性
  2. 適切な湿度にする吸湿性・放湿性・透湿性
  3. 身体を圧迫しない軽さ・ふくらみ具合
  4. 身体になじんで包み込むフィット感・ドレープ性

今回は主に中身に素材を詰めた「その他の掛け布団」の違いについて、もう少し詳しくご紹介いたします。

掛け布団は生地と中身で寝心地が変わる

布団の生地はもちろんのこと、中に詰める素材によって、暖かさや蒸れにくさが変わるなど寝心地が違います。

「詰め物が入っている掛け布団」によく使われる5つの素材「綿、合成繊維、羊毛、真綿、羽毛」の違いを下記にまとめました。

詰め物素材別の特性一覧

代表的な詰め物素材別の特性一覧

代表的な詰め物素材別の特性一覧

合成繊維にはさまざまな種類・機能性があり、中には羽毛などと似た吸放湿性がある場合もありますので、上記一覧表はあくまでも目安としてご参照ください。

素材の特性(とくせい・そのものが持つ特有の性質)がどのような意味なのか、できるだけ簡単にご紹介します。

保温性とは?

保温性(ほおんせい)とは「暖かさの目安」

保温性とは、寝床内(しんしょうない・布団内部)の温度を一定に保つ性質のこと。
外と寝床内の間で、温度が移動することを抑制することで、一定温度を保ちやすくします。
冷たさを保つ場合は「保冷性」と言われることもあります。

布団に詰められている素材が空気を含むと、外と寝床内の間に空気の層が生まれ、温度が移動しにくくなります。
体温で暖かくなった布団内の空気から熱が逃げにくくなるため、暖かさの目安になる性質です。

 

吸湿性・放湿性・透湿性とは?

吸湿性(きゅうしつせい)とは「汗など湿気を吸収」
空気中や布団内の水蒸気(気体)を吸収する性質のこと。
放湿性(ほうしつせい)とは「汗など湿気を逃がす」
吸収した水蒸気(気体)を放出する性質のこと。
吸湿性だけに優れて、放湿性が低いと蒸れを感じる場合があります。
透湿性(とうしつせい)とは「湿気を通す」
水蒸気(気体)を繊維の隙間から外気へ放出する性質のこと。
水分を吸収するのではなく、そのまま外に出す性質が放湿性とは異なります。

理想的な湿度が快眠にも重要ポイント

吸湿性が低いと寝汗などの湿度が布団に吸収されず、肌の表面に残って蒸れを感じやすくなります。
湿度を吸収するばかりで放出しないと、布団がベタついて不快感につながる場合も。

放湿性・透湿性のある素材を選ぶことで、快適な眠りに重要な、理想の寝床内湿度「約45~55%」を保ちやすくなります。

軽さ、かさ高性とは?

軽さのポイント

一般的に身体にかかる圧力が軽い方が、眠る時の負担にならないと言われています。

・寝返りしやすく、圧迫感を減らすことで呼吸もしやすくなる。
・押し入れに収納したり取り出す時や、干す時も扱いやすい。

上記の理由からも、軽い布団の方が使いやすくおすすめです。
重めの方がリラックスできて眠りやすい場合もありますので、ご自分の眠りの様子を見ながら、お好みでお選びください。

かさ高性(かさだかせい)とは「ふくらみ具合の目安」

かさ高性とは、素材が空気を含んでふくらむ度合いのこと。
基本的に「羽毛」に使われる単位ですが、他の素材に対しては目安として一覧表に加えています。

かさ高性は布団の厚みではありません。
中身の素材がふくらみやすいか、どれくらいの量が詰められているかによって、布団の厚みは変わります。

ドレープ性とは?

ドレープ性とは「フィット感」

布団のドレープ性とは、身体に寄り添いフィットしやすいかどうかを意味します。
フィットしやすい布団は、身体との間に隙間が少なくなり、布団外の空気が内部に入りにくくなります。

特に寒さを感じる冬は、身体にフィットする布団の方が保温性を感じやすくなり、暖かく心地よい眠りにつながります。

夏の暑い時期は、体温を逃がしやすい素材の掛け布団の場合、ドレープ性がある方が肌に寄り添い、ひんやり心地よさを感じやすくなります。

最後に、各素材を使った掛け布団についての特長などをご紹介します。

汗を吸収し静電気を起こしにくい「綿布団」

綿(コットン)

詰め物素材・綿

詰め物素材・綿

「木綿(もめん)」とも呼ばれる「綿」は、植物の種子につく白くやわらかな繊維質の「わた」です。
肌着などによく使われるほど、吸水性に優れているのが特徴。

繊維一本ずつにある天然の「よじれ」が弾力性を生み出し、他の素材に比べると低めながら保温性もあります。
定期的に日干しすると、ふわふわ感(弾力性)が戻りやすくなります。

打ち直しをして長く使えること、綿は素肌への刺激が少ない素材で、幅広い年齢層の方に愛用されています。

軽くほこりが少なめ「合繊布団」

合成繊維(ポリエステルなど)

詰め物素材・合成繊維

詰め物素材・合成繊維

ポリエステルは繊維に強さがあり、繊維が切れてほこりになることが少ない素材。
軽くて、かさ高性・ドレープ性もあり、他の素材に比べると低めながら、保温性もあります。

繊維に抗菌やダニ防止など加工しやすく、ご家庭で洗えるタイプも。
綿や羊毛などと混ぜて使われることも多く、取り扱いしやすい素材なので幅広い寝具で使われています。

吸水性はあまりなく、透湿性がありますが他の寝具との組み合わせによっては、蒸れやすく感じる場合もあります。

汗を吸収・放出する性質に優れた「羊毛布団」

羊毛

詰め物素材・羊毛

詰め物素材・羊毛

羊毛は「ウール」とも呼ばれる素材で、吸湿性・放湿性がとても優れています。
繊維の表面がウロコが重なっているような形状で、このウロコが開閉して湿度を調整してくれます。

空気を含んでふくらむ「かさ高性」が低めなので、羽毛に比べると保温性が及ばないことも。
冬の寒さが厳しい時期に使う場合は、カバーや敷きパッドなど他の寝具を組み合わせて。

動物性の素材なので特有の匂いがあり、羽毛より重さが感じられます。
羊毛素材はご家庭で洗わず、専門店にクリーニングをお任せすることをおすすめします。

人の皮膚に近い成分を含む「真綿布団」

真綿

詰め物素材・真綿

詰め物素材・真綿

真綿(まわた)とは、蚕の繭を引き伸ばして、わた状やシート状にしたもの。
(※シルクは生地状に加工した織物のこと)

寝汗などを素早く吸収して、木綿(コットン)よりも早く放出して、さわやかさを保ちやすく、ドレープ性にも優れているので、より暖かい空気を逃しにくいので、羽毛より低めながら保温性にも優れた素材です。

人間のお肌に近い成分「セリシン」が含まれ、肌の潤いを保ち、抗酸化作用でしわやシミなどを防ぐと言われています。

真綿は基本的に水洗いができませんが、吸放湿性に優れた素材なので、定期的な陰干しのお手入れがおすすめです。

軽くて暖かい「羽毛布団」

羽毛

詰め物素材・羽毛

詰め物素材・羽毛

軽いのにふっくら空気を含み、かさ高性と保温性に優れた素材。
主に水鳥の胸元部分の羽毛(ダウン)と、腹部の羽毛(スモールフェザー)を併せて使用します。

外気が暖かい時は羽毛が広がらず、隙間を作って放湿性を高めます。
寒い時は羽毛が広がり、空気を多く含むことで保温性を高めてくれます。

羽毛を包む布団の生地が、吸湿性のある「綿」の方が羽毛本来の寝心地を発揮しやすくなります。
綿生地の中でも、ドレープ性に優れた上質な綿生地は、身体にフィットしやすいのでより心地良くなります。

動物性の素材なので特有の匂いがあり、羽毛を傷めずにご家庭で洗うことは難しいので、専門店でのクリーニングを推奨します。

掛け布団の中身も寝心地を決めるポイント

「掛け布団」の中でも様々な種類があり、わかりにくいかもしれません。
詰め物素材の特性をご参照いただいて、自分がこだわりたいポイントを決めると選びやすくなります。
心地よい眠りにつながる、自分に合う寝心地の掛け布団選びにお役立てください。

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筆者プロフィール

木野 いく

2014年寝具会社に就職。約9年間の経験を活かし、現在いい眠り.pressにて、寝具や睡眠の知識にまつわる記事を担当。 趣味は読書、散歩、寝ること。好きなものはチョコレート(長年手の湿疹に悩む…原因はチョコレート説あり)
2014年寝具会社に就職。約9年間の経験を活かし、現在いい眠り.pressにて、寝具や睡眠の知識にまつわる記事を担当。 趣味は読書、散歩、寝ること。好きなものはチョコレート(長年手の湿疹に悩む…原因はチョコレート説あり)

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