眠りの特集
【整形外科医に聞く 第4回】睡眠と寝具のこれからについて
じぶんまくら開発者・田中宏明専務が、友人の整形外科医 三宅先生に、多くの方が気になることを質問。
先生にご回答いただいた中から、テーマごとにまとめてご紹介します。
第4回目は「睡眠と寝具のこれからについて」です。
【日本整形外科学会専門医 三宅智先生】
愛知県愛知郡東郷町で「みやけ整形外科」を開院。
「地域の皆さんが元気に明るく暮らせるために」をモットーに日々患者さんと真摯に向き合っておられます。
▼みやけ整形外科公式サイトはこちら
(※公式サイトへ移動します)
睡眠と寝具のこれからについて
もっと寝ることを意識してもらいたい
まず興味を持つ人が増えて、窓口が広くなって欲しい。
寝ることに対して、意識を持ってもらうというのが大切なことだと思っています。
睡眠は痛みとも密接に関わりがある
夜間の痛み(肩・膝・痛みで目が覚めるなど)は、睡眠がしっかりとれているかというのも、痛みを緩和するためにもいい。
まず「まぁ、眠いから寝るか」ではなく「よし、寝る準備をしよう」と、睡眠をしっかりとることをイメージする。
睡眠に向かっての自分なりのリズムを作ることが大切。
この意識をもっと多くの方に周知してもらいたい。
睡眠と寝具に興味を持ち、気を使っていただくことで、体の痛みを治すことはできなくても、痛みと上手に付き合うための、生活サイクルを考えられる。
生活サイクルの一環に、睡眠があると考えていただくと、何かが変わってくるかもしれないと考えています。
睡眠と寝具の関係
子どもの寝相が悪いと言いますが、それだけ動けるから翌日に肩こりや腰痛がないことにつながっていると思います。
お布団がかたすぎると眠りにくくなってしまうけれど、子どもの体重に対して寝具・お布団が合いやすく、ちょうどいい時は「ぐるんぐるん」と寝返りする。
たくさん寝返りしてもちゃんとレム睡眠(夢をみる状態)もちゃんと得られる。
だから子どもは何もしなくても健康に寝られるのではないかと思います。
大人こそ寝具が大切
年を重ねた大人たちは、それほど動けないことが多い。
また眠れないと思うと眠れなくなってしまう、体のどこかが痛いなど、身体的・心理的にも気を使わないといけない部分が増えてくる。
だから寝具に対して、大人こそ考えてみて欲しいと思います。
枕は寝返りの支点となる首を支える
枕に重要だと思う部分
- 寝る時に首の後ろを支えて、気道を確保できる
- 寝返りの時に肩が沈まない
枕は頭を乗せるものだと思われていますが、首をしっかり支えるためのもの。
首を支点にして寝返りをするから、枕にとって首を支えることがとても重要。
ホテルまくらのように、ふわふわ柔らかく、いろんな大きさの枕を組み合わせて眠るのは、本当に眠りやすいとは思えません。
首をある程度しっかり支えていないと、気道(空気の通り道)が確保されず、寝にくかったり、いびきをかきやすくなると思います。
敷布団は寝返りしやすい硬さで
敷布団に重要だと思う部分
- 寝返りが打てる
- 自分に合う硬さ
寝返りを打とうと思っても寝返りが打てないと、身体に余計なストレスを与えてしまいます。
低反発の寝具は要注意
低反発の寝具では上手に寝れないのではないかと思います。
低反発は同じ力に対して沈む率が必ず決まっています。
重い所は当然沈んでいく。そうじゃない所は浮かび上がってくる。
すると寝返りしやすい丁寧な姿勢はキープできず、寝返りが打てないので体にストレスを与えるのではないかと思います。
素材だけでなく自分に合うかどうか
材質がいいから、いい睡眠がとれる、ではなく眠る人に合っているかも大切。
体重40kgと80kgの人では服が違うように、寝具もその人に合うものが重要になると思います。
じぶんまくら・じぶん敷ふとん・IBmirrorについて
骨格・姿勢は複合的なものでなりたっているので、撮影した時だけが結論ではないのが大前提です。
それでも自分では気づけない姿勢について、その場で、10秒でわかって、枕や敷布団に反映されるオーダーメイド寝具は早くて画期的だと思います。
ちゃんと自分に合った寝具を使って、頭痛がなくなるという風なことが起きるのであれば、積極的に使っていただいていいと思います。
※IB mirror(アイビーミラー)はじぶんまくらの非接触型・姿勢測定器です。多方向から立ち姿を撮影することで、背骨のカーブなどを測定できます。
順次全国の各店舗へ導入を進めておりますが、現在は設置されていない店舗もございます。
設置されている店舗は公式サイトのIBMirrorについてをご参照ください。
自分に合う枕・布団とストレッチでいい眠りを
患者として診察時に聞きたいけれど聞きにくいことを、全4回に分けて、整形外科医の三宅先生に解説していただきました。・肩こりとストレートネックについて
・腰痛について
・入眠前の体のケアについて
・最後は、睡眠と寝具のこれからについて
いい眠りは、いい人生に。
三宅先生にお話しいただいた中で、できることから、少しずつ試していただけましたら幸いでございます。
筆者プロフィール
木野 いく