眠りの特集
梅雨も快適に眠るためにおすすめの方法~寝室の湿気対策~
6月になると雨が続いたり、蒸し暑さで眠りにくい日が増えてきます。
本格的な夏を迎える前に、少しでも気持ちいい眠りで体調を整えておきたいですよね。
そこで今回は、梅雨の湿気対策におすすめの方法、寝具のお手入れのコツをご紹介いたします。
Index
湿気が多いと何が困る?
同じ室温でも暑いと感じる
空気の温度が高いほど、空気の中にたくさんの水分量を蓄えられるため、夏など気温が高くなると湿度が高まります。
湿度が高いと、体温を下げるための汗が蒸発しないため、体温が下がらず暑さを感じ続けることに。
日本生気象学会の「日常生活における熱中症予防指針」によると、同じ「28℃」の室温でも、湿度が「65%」では「熱中症に警戒」が必要な暑さ指数(WBGT)になると言われています。
室温だけではなく、室内の湿度がどれくらいあるのかも、心地良く過ごすために欠かせないポイントです。
寝苦しさを感じやすい
心地よく眠るために、寝室内の理想的な湿度は「50~60%」ほど。
日本では初夏から秋口頃まで、湿度が70や80%を超えることもあります。
湿度が高いと、睡眠のために体温を下げたくても下がりきらず、眠りが浅くなったり、寝付きにくさを感じやすくなります。
カビやダニが増えやすい
カビやダニは湿度が60%以上で発生しやすく、6~9月頃の高温多湿になる時期は一番発生しやすいタイミング。
アレルギーの原因や、鼻水・くしゃみ、咳が出るなど健康にも影響が。
湿度対策はカビ・ダニの発生を防ぐ意味でも重要なポイントです。
湿気対策5つ
- 室内に温・湿度計を置く
- こまめに換気する
- 週に1回は掃除・寝具を洗う
- 部屋干しをできるだけしない
- 布団や寝具を干して風を通す
5つの湿気対策のポイントをご紹介いたします。
1:室内に温・湿度計を置く
エアコンの設定温度は室温とは違うため、室温と湿度をこまめに目で見られるようにしましょう。
湿度が低すぎても、肌やのどの乾燥が起きやすくなりますので、湿度を目で見て除湿機やエアコンを適切に使うことが大切です。
2:こまめに換気する
- 晴天時は窓を開ける
- 雨天時は窓を閉めて、エアコンや扇風機で室内の空気を動かす
- 室内に風の通り道をつくる
エアコンなどのフィルターも、定期的に清掃を。エアコンを停止した後、一定時間「送風運転」をして内部を乾燥させるのもおすすめです。
換気のポイントは「風の通り道」をふさがないこと。
押し入れや収納空間に詰め込みすぎたり、テレビやソファなどの家具が風を遮ってしまうこともあるので、配置にも気をつけて。
壁と家具の背面にも隙間をつくると、風が通りやすくなり、掃除もしやすくなります。
雨が入らない程度に時々窓を開けても
窓をずっと締め切ったままではなく、雨が入らないように少しだけ開ける時間も作りましょう。
その場合も湿度計でチェックして、あまりにも湿度が上がりすぎる場合は窓を閉めた後に、エアコンや除湿器で湿度調整を。
浴室・洗面・トイレなどの水回りは換気扇を常に動かすなど、湿気をためこまないように空気を動かして。
エアコンの除湿に2タイプある
空気は温度が高いほど、多量の水分が含まれます。
エアコンの除湿は、内部に取り込んだ空気の温度を低くすることで、空気から余分な水分を取り除きます。
温度が低くなって空気中にいられなくなった水分は室外に逃がし、水分量が減った空気だけを部屋の中に戻すことで、室内の湿度を下げています。
部屋に空気を戻す時、「弱冷房除湿(じゃくれいぼうじょしつ・ドライ)」では、温度を下げたまま。
「再熱除湿」では、温度を下げた空気を、ちょうどいい温度にあたためなおしてから部屋に戻します。
使用する電気の量は少し多めになりますが、梅雨など「気温が低く、湿度が高い」時は、再熱除湿の方が体の冷えすぎを防ぐと言われています。
※エアコンによって機能の名称などは異なりますので、取扱説明書などでご確認ください。
3:週1回は掃除・寝具を洗う
週に1回以上の掃除をした方が、カビだけでなくダニも増えにくくなります。
寝具はシーツ・カバーなど、取り外せる寝具も週に1回は取り換えて洗いましょう。
梅雨の時期などは洗濯物が乾くまで時間がかかりますので、あらかじめ洗い替えを用意しておくと、焦らなくていいのでおすすめです。
すでにカビが発生してしまった場合は、できるだけ早く処分を。
通気性がいい・洗える寝具を選ぶのも◎
熱がこもりにくく、丸洗いできるタイプや、取り外して手洗いができる寝具を選ぶこともおすすめです。
▼例えばこちら
4:部屋干しをできるだけしない
室内に湿気を発生させないよう、洗濯物を部屋の中で干さないことをおすすめします。
どうしても部屋干しする時は洗濯物の下に新聞紙を広げたり、エアコン・扇風機・サーキュレーター・換気扇・除湿機などをつけて、室内の湿度を調整してください。
5:布団や寝具を干して風を通す
敷き布団や掛け布団は、起きたら布団干しなどに掛けて、扇風機やサーキュレーターなどで風を当て、寝具内の湿気を飛ばしましょう。
枕もベッドヘッドなどに立てかけて、布団と一緒に風を当て、湿気を逃がして。
通気性のいい素材で作られた寝具を選ぶのもおすすめです。
寝具のお手入れのコツ
朝起きて布団干しに布団をかける以外に、寝具の湿気を発散しやすくする方法をご紹介します。
敷き布団・マットレス
「布団用除湿シート」を、敷き布団やマットレスの「下」に敷いて眠りましょう。
マットレスを毎日、壁に立てかけるのは大変ですが、除湿シートなら簡単に干せますし、くり返し使えるタイプなら、何度も使えるのでおすすめです。
フローリングの上に敷き布団を置いてお使いの方は、畳よりも湿気が溜まりやすく、カビが発生しやすいので要注意。
またウレタンフォームを使ったマットレスも、素材の特徴で湿気がこもりやすいので、ぜひ除湿シートをご検討ください。
押し入れにしまう場合
敷き布団は敷きっぱなしにしないで、布団干しに掛けるか、押し入れにしまいましょう。
すのこの上に湿気取りシートを敷いて、その上に敷き布団を収納するのがおすすめ。
除湿機やサーキュレーターを押し入れの方に向けて除湿すると、より湿気がこもりにくくなります。
短時間でも、ふとん乾燥機
ふとん乾燥機を30分ほど使って湿気を逃がすと、さわやかな寝心地に。
寝る時間には布団が冷めているように、早めの時間に乾燥させてください。
30分より短い時間しか乾燥できなくても、やらないよりは湿気を逃しやすいので、できる時にお試しください。
通気性のいい素材や生地の寝具を選ぶのも
空気を通しやすい「通気性」がある素材、通気性を良くする加工をした生地を使った寝具なら、湿気を発散しやすくなります。
昔ながらの甚平や浴衣など、夏物衣料品によく使われる「しじら織り」の生地やガーゼ生地、表面に凹凸がある生地の敷きパッドやパジャマなどは、肌との間に隙間ができるのでおすすめ。
素材としては「麻」が、天然繊維の中で一番涼しく感じやすいと言われています。
麻特有のザラザラ感が気になる方は、「綿」素材も混ぜている麻寝具なら、肌ざわりがいい場合があります。
羽毛(ダウン)が入った薄手のふとん「ダウンケット・羽毛入り肌掛け布団」も、湿気を逃しやすい素材です。
梅雨におすすめ寝具はこちら
じぶんまくらが運営する、公式通販サイトにておすすめ寝具をご紹介しております。
ぜひご一覧ください。
ちょうどいい湿気で、いい眠りに
梅雨や夏など、湿気が高くなる時期は、こまめな換気やエアコン・除湿器など湿気対策を。快適に感じる湿度に調整して、心地良い睡眠で一日の疲れを癒しましょう。
<参考文献>
日本生気象学会 「日常生活における熱中症予防指針 Ver.4」 2022年5月25日
http://seikishou.jp/committee/
「気管支喘息に対する喘息死の予防や自己管理手法の普及に関する研究」(カビ)及びダニ対策について
主任研究者:大田 健 分担研究者:国立病院機構相模原病院 釣木澤尚実 提供資料
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/150522.pdf
「科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124201.html
筆者プロフィール
木野 いく