睡眠と子育て

眠る前におすすめ!1歳から6歳までの子どもに読んであげたい絵本12選

子どもが眠るときの保護者は、お風呂に着替え、歯磨きと大忙しの時間帯です。お仕事をしている保護者なら尚のこと、子どもとゆっくり遊んだり話したりする時間を持てないもの。
そんなとき、親子のかかわりを深めてくれるのが「絵本の読み聞かせ」です。

日中絵本を読んであげている保護者がいるかもしれません。また、保育園や幼稚園へ通っている子どもなら園で呼んでもらっているかもしれませんね。

ですが、寝る前の読み聞かせは特別な時間。
年齢の小さい子どもは特に、眠ることに対する寂しさや恐怖感をおぼえる子どももいます。
また、もっと遊んでいたい、ママやパパと一緒に過ごしたいという思いから眠りたがらない子どももいます。

眠る前の絵本の読み聞かせは、子どもにとって大切な時間です。また、保護者にとっても大きなメリットがあります。
読み聞かせのメリットや、読み方のポイント、そして年齢別におすすめ絵本をご紹介します。

保護者の絵本の読み聞かせにはどんなメリットがあるの?

絵本は誰が読んでも同じ内容には変わりありません。
ですが、絵本をママやパパが読むことで多くのメリットがあります。

  • 楽しい絵本のストーリーを大好きなママやパパの声で聞ける
  • 眠る前に親子でリラックスできる時間を持てる
  • 絵本を見ながら、親子で会話を通したコミュニケーションが取れる
  • 楽しい気持ちで穏やかに眠れる
  • 保護者も子どもと触れ合い、愛おしさや大切さを感じる
  • 子どもが自分のためだけの時間をママやパパが作ってくれたことに喜びを感じる
  • 眠る前の習慣となれば、お布団へ誘っても嫌がったり渋ったりしなくなる

このようなメリットがあります。
保護者が自分のために時間を作り、ゆったりと楽しい絵本を読んでくれること、眠る前に優しいママやパパの声をたくさん聞けることで、明日に期待を持って眠りにつけるのです。

また、小さな頃絵本を読んでもらったという記憶は一生残るはずです。
大人になったときに思い返したり、そのとき読んでもらった絵本に再会したときは、懐かしさと愛おしさで心がいっぱいになることでしょう。
これは、自分は両親に愛されて育った、大切にされていたと実感し、自分への自信や肯定感へとつながります。

絵本はどんな絵本でも、どんな読み方でも基本的には自由ですが、次の項ではちょっとしたポイントをご紹介しましょう。

絵本を読みきかせるときのポイント5つ

1.表紙から裏表紙までお話がつながっているから、最後まで読もう

表紙はストーリーへの導入、裏表紙はストーリーのその後・後日談であることがほとんど。
表紙から裏表紙までじっくり読みましょう。

タイトル・著者・出版社など、書いてある文字は全て読みましょう。子どもには著者や出版社など関係ないのでは? と感じるかもしれませんね。

ですが、繰り返し読むうちに「きんぎょがにげた(タイトル)、五味太郎(著者)、福音館書店(出版社)」と、なぜかしっかり覚えていきます。

出版社や著者などを覚えると「前もこのひとの絵本見たね!」「福音館書店っていう本好きだなぁ」などと小さいながらも多くの記憶を残します。

2.時間がないからと読み飛ばしたり、ページを飛ばしたりしない

早く寝てほしい、この後家事や仕事がある……。大人には子どもが眠ってから色々な仕事があったり、ゆっくりと休みたかったりと事情がありますね。

ですが、絵本の大切さを考えたとき子どもと保護者自身のためにリラックスした時間を過ごすことが大切なのです。子どもは保護者の心の動きにとても敏感です。忙しいんだな、集中してくれていないな、ということはすぐに見抜いて、絵本に集中しなかったり、その後いつまでも眠らなかったりするでしょう。

また、絵本に対しても敬意を払い、作者の作った世界観やストーリーを大切にし、子どもに伝えてあげたいものですね。

3.ストーリーを勝手に変えて読まない

絵本のストーリーは、著者が考え抜いたひとつの作品です。
おもしろくしようとしたり、子どもの気を引こうとアドリブを入れたりと、ストーリーをこちらの都合で変えて読むことは、やめましょう。

4.効果音や場面が盛り上がるとき、大げさな声を出さない

登場人物によって声色を変えたり、盛り上がる場面で大きな声で読んだりすることはしません。絵本に書いてある文字を通常のママやパパの声で読む方が、子どものイメージや想像力を掻き立てます。

5.子どもの様々な要求に応える

絵本を読むことがまだ習慣になっていない頃や、年齢が小さいころは、まだ読んでいる途中でも好奇心から次のページをめくろうとしたり、絵本をぱたんを閉じ「おしまい」と言ったりすることがあります。
そんなときは、絵本に関心が持てないとき。無理に読み進めるのはやめましょう。
もしかしたら年齢や興味に合っていないかもしれないので、絵本のジャンルを変えてみましょう。

また、もう一度前のページに戻って確認したいと言ったり、同じ絵本を何度も繰り返し読んでほしいとせがむこともあるでしょう。
さらに、絵本のストーリーに対して感じたことを話しかけてきたり「次はこうなるんだよね」と得意そうに話すこともあります。

これはママやパパの中には、最後まで集中して黙って聞いてほしいと思う方がいるかもしれません。ですが、このような行動や言動は絵本に対して大いに興味を持っているという気持ちの表れです。
子どもの気持ちに寄り添いながら、読んでいきましょう。

次に、成長や発達に合った絵本、昔ながらの定番絵本など年齢別のおすすめ絵本をご紹介します。

1歳におすすめの絵本

ねないこだれだ
せな けいこ著/福音館書店

なかなか眠らない子どもに、寝ない子は誰だ?とお化けが出てきておばけの世界へ連れて行ってしまう、ちょっとだけ怖いお話。ですが、イラストが可愛らしく、眠らない主人公と子ども自身が重なるため、子どもにとても人気の絵本です。

おつきさまこんばんは
林明子 著/福音館書店

お空にいつも見えるお月さまが、優しく「こんばんは」と声をかけ微笑んでくれます。
お月さまの大きなイラストが、1歳児の目をひき、夢中になって見てくれますよ。
眠る前に窓の外のお月さまを実際に見て、「おやすみなさい」と挨拶してから眠るのも良いですね。

2歳におすすめの絵本

しろくまちゃんのほっとけーき
わかやまけん 著/こぐま社

しろくまちゃんがほっとけーきを作ります。実際にフライパンで作っていく順序がわかりやすくイラストで表示されていて、「ぽたあん・どろどろ・ふつふつ・やけやかな・まあだまだ」などのセリフを子どもが覚えて一緒に楽しめますよ。
明日のおやつに「ほっとけーき」作ってみようか、なんて楽しみを持たせながら眠りに導けることでしょう。

ノンタンぶらんこのせて
キヨノサチコ 著/偕成社

公園や児童センターなど、同じような年齢の子どもが遊ぶ場所で必ず起きるのが「順番を守ること」や、「貸して・いいよ・後でね」などのやりとりです。
集団生活や社会のルールを理解できる年齢ではありませんが、順番を交代できないノンタンと、順番を守ってくれず待っている友達の気持ちが、2歳児にもわかりやすく表現された絵本です。

3歳におすすめの絵本

ぐりとぐら
ながわりえこ と おおむらゆりこ 著
福音館書店

3歳の頃は、お話の世界や空想の世界を楽しむ時期です。
イメージしたことやお話の世界と現実が曖昧であっても、発想を大切にしてあげたい時期ですね。
「ぐりとぐら」は野ねずみで、2人で仲良く暮らしています。発見したりアイデアを出したりしながら森の仲間と楽しく暮らしている様子は、3歳の感性豊かな心にぴったりでしょう。楽しいお話の世界を胸に、いい夢が見られるかもしれません。

おばけのおてんぷら
せなけいこ 著/ポプラ社

主人公のうさこが天ぷらを揚げていると、いい匂いに誘われて森の中のお化けがつまみぐいにやってきます。天ぷらを揚げても揚げても増えない天ぷらに「おかしいなぁ」と思いながら次に揚げようと箸でつかんだのがお化け。お化けは急いで衣から逃げて無事でしたが、うさこにはなぜお化けが見えなかったのでしょうか。
ユーモアと夢のあるシンプルで楽しい絵本です。きっと明日は天ぷらが食べたくなるはず!

4歳におすすめの絵本

めっきらもっきらどおんどん
長谷川摂子 作・ふりや なな 絵
福音館書店

なんとなく怖そうで、けれど興味をそそる表紙から始まるお話。「めっきらもっきらどおんどん」とは一体何かな?おばけの名前?それとも呪文?
子どもがあこがれる夢の世界で、思い切り楽しむ主人公に思いを馳せられるお話です。

こんとあき
林明子 作/福音館書店

生まれた頃から大切で仲良しだったぬいぐるみの「こん」。大切にしていたけれど古くなって腕がちぎれそうです。「こん」は主人公の「あき」のおばあちゃんが手作りしてくれたぬいぐるみ。おばあちゃんのところへ、2人で一緒に直してもらいに出かける夢と冒険のお話です。ドキドキしたり、涙がこぼれそうになったり、ほっとしたり、最後には温かな気持ちになるはず。感性と情緒が豊かになり、人の気持ちに寄り添えるようになってくる4歳にぴったりの絵本です。きっと安心して眠りにつけますよ。

5歳におすすめの絵本

よるくま
酒井駒子 作/偕成社

文字が少ないのですが、イラストと文章が心に沁みわたる絵本です。
主人公が眠っていると、黒いこぐまが部屋に現れました。自分のお母さんを探しているのだとか。主人公も一緒にこぐまのお母さんを探しに出かけます。
お母さんの匂いやあたたかさ、愛情をたっぷり感じ、安心して眠りにつける絵本です。

さっちゃんの まほうのて
たばたせいいち他 著/偕成社

生まれつき右手の指がない先天性の障害をもつさっちゃん。成長と共に自分の障害を意識し始める時が来ます。母親の切ない言葉、保育園へ行けなくなってしまうさっちゃん。周囲の友達の反応など、さまざまなことに思いを巡らせることができるでしょう。
自分と違うと感じた人を見たとき、どうするのか。どんなふうに関わったらいいのか。見た目だけで判断することについて、いじめや仲間外れについてなど、親子での会話をしながら何度でも読んであげたい絵本です。

6歳におすすめの絵本

泣いた赤おに
浜田廣介 作・梶山俊夫 絵/偕成社

村人に怖がられている鬼たち。村人と仲良くしたいと、色々なことをして村人に近づきたいのですがなかなかうまくいきません。そんな辛そうな赤鬼を見た親友の青鬼が、一役買い、赤鬼は無事に村人と仲良くなることができました。
ですが、赤鬼は失ったものの大きさに後から気が付きます。
そこでお話は終わってしまいますが、大人はきっと赤鬼はどうしたらよかったのだろうと思いを馳せることでしょう。
6歳くらいの子どもも登場人物の心情を考えるはずです。
一生心に残る作品です。
「〇〇ちゃんだったら、どうする?」と親子の会話をしながら眠りにつけそうです。

となりのせきのますだくん
武田美穂 作/ポプラ社」

隣の席のますだくんが怖くて仕方のない主人公のみほちゃん。みほちゃんは学校へ行きたくない気持ちになっていきますが……。泣き虫で優しいみほちゃんと、実は優しい男の子とのますだくん。最後には怪獣みたいなますだくんが、男の子の姿に変身。それはなぜなのでしょう。ドキドキしたりほっとしたり、子どもの心情に寄り添ったほっこりする絵本です。

年齢にこだわらず、お話を理解できればどんな絵本でもOK

もう5歳だから、まだ3歳だからといって、絵本のおすすめする年齢ではないから見せない・読まないということはしません。

例えばこどもと図書館や書店へ行って、読んでみたいと思う絵本を持ってきた場合は手に取ってみても良いでしょう。

子どもにとって幼い絵本でも楽しめたり、少し難しいストーリーの絵本でもイラストが気に入ったりし、成長してから楽しめるかもしれません。

絵本は親子の信頼関係を育む

子どもが眠る前に読み聞かせをおすすめする理由やメリット、読み聞かせをする際のポイント、年齢別のおすすめ絵本についてご紹介しました。
ママやパパの声で絵本を読み聞かせることは、子どもが愛情を実感し自分に自信を持って生きていく心を築きます。
また、保護者にとってはどんどん成長していく子どもとの優しい思い出となり、大きくなっても愛おしさが続くことでしょう。
子ども・保護者の双方に良いこと尽くしの「眠る前の読み聞かせ」を、今夜から始めてみませんか。

筆者プロフィール

炭本 まみ

北海道生まれ北海道育ち。保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。保育士資格・幼稚園教諭免許・発達障害コミュニケーション指導者資格を保有。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。未だに子育てに行き詰ることはあるものの、子育て記事を執筆しながら、自分自身の子育ても振り返る日々。趣味はキャンプと旅行とカメラ。
北海道生まれ北海道育ち。保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。保育士資格・幼稚園教諭免許・発達障害コミュニケーション指導者資格を保有。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。未だに子育てに行き詰ることはあるものの、子育て記事を執筆しながら、自分自身の子育ても振り返る日々。趣味はキャンプと旅行とカメラ。

関連記事

最新の記事

カテゴリー

人気キーワード



カテゴリー

眠りの特集

もっと見る

美容と睡眠

もっと見る

睡眠と子育て

もっと見る

眠りのニュース

もっと見る

眠りと寝具の4コマまんが

もっと見る

最新の記事