眠りの特集
「睡眠の秋」こそ快眠を。体調不良を予防するコツ3選
私事ながら2022年の秋、前触れもなく体調を崩し仕事を休まなくてはならなくなりました。
それまで体に大きな不安はなかったため、突然すぎて戸惑う気持ちと、関係者の方々に迷惑をかけてしまった申し訳なさで、落ち着いて休めなかったことが強く記憶に残っています。
“自分は大丈夫”と思っていても、体の調子が乱れやすい季節。
仕事や家事など、毎日やることをいっぱい抱えていて、休んでいる場合じゃないからこそ、急にどうしようもなくなってしまうことは避けたいですよね。
そこで今回は、自分自身の経験から「秋の睡眠」で気をつけていることをご紹介します。
なぜ秋は体調を崩しやすいの?
目まぐるしく天気が変化するから
雨が降りそうな天気になると古傷が痛むことがあるように、人間も気圧や気温など天候の影響を受けています。
気圧とは「空気の重さ・圧力の強さ」の意味。毎日変わる気圧・気温に合わせて、人間の体は調子を保つために、意識しなくても「自律神経」が働いて調整してくれています。
ところが秋の空模様は変わりやすいもの。
晴れていたのに急に雨が降るなど、1日の中でも変化が激しい場合も。
昼は晴れていて暑かったのに、雨で気温が下がり夜はひんやり涼しくなるなど、朝晩の気温差が「約7℃」以上あると、人はうまく適応できなくなると言われています。
寒暖差に適応できなくなると体が疲れ、「寒暖差疲労」と呼ばれる状態になりやすく、倦怠感や頭痛、肩こりや首こり、めまい、不眠、イライラなど様々な症状が起きやすくなります。
夏の疲れが溜まって自律神経が乱れている場合もあり、秋は体の不調を感じやすいのです。
体調を崩さないためにどうしたらいい?
3つのポイント
- 無理をしないスケジュールにする
- 体を冷やさない工夫をする
- いつもより約30分早めに眠る
それぞれについて、もう少し詳しくご紹介します。
無理をしないスケジュールにする
休める時間を作る
くもりや雨の日など活動に向いていない天気の時、人は自然と体を休めようとします。
休みたがっている体を無理に動かしてうまくできなかった場合、その結果にストレスを感じてしまうと、さらに自律神経が乱れやすくなります。
夏の疲れが残っていたり、寒暖差で疲労を感じやすい時期でもあり、いつもの睡眠時間だけでは疲れが取れないことも増えてしまいます。
できるだけ疲れを溜めないように、無理しないスケジュールに調節できないか、手伝ってくれる人が近くにいないか検討してみてください。
体を冷やさない工夫をする
朝晩と昼の気温差にもご注意
体の冷えが続いてしまうと、全身に血液がめぐりにくくなり、だるさや肌のくすみなど、さまざまな不調が起きやすくなってしまいます。
寝つきにくくなったり、眠ったはずなのに朝から疲れを感じて体が重くなる、など睡眠の質にも影響してしまう場合も。
冷えていないつもりでも、空調が効いたお店や、オフィス・電車の中などが予想以上に寒くて冷えてしまうこともあります。
寒さを感じた時に羽織れるもの、ストールやひざかけなどを持ち歩いて、できるだけ冷えを少なくできるように工夫してみて。
また睡眠中、寒さを感じたら使えるように「薄めの毛布、秋用の羽毛布団」などを、すぐ手に取れる場所(足元など)に置いておいたり、長袖・長ズボンのパジャマに変える、眠る時向けのレッグウォーマーなどを用意しておくこともおすすめです。
秋の掛け布団の選び方を、室温別にこちらの記事でご紹介しています。ぜひご参照ください。
アイスクリームや生野菜など食べる物・飲む物によっては、体を内側から冷やす場合も。
熱を通す調理をしたり、体をあたためる食材と組み合わせるなど、食生活もチェックしてみて。
スープなど柔らかくして食べると消化しやすくなるので、夏バテで疲れた体を労わることにもつながります。
いつもより約30分早めに眠る
毎日約30分~1時間くらい、いつもの就寝時間より早く眠るように心がけてみて。
秋は夜が長く、暗くなるのが早いため眠気を感じやすく、夏の疲れを回復させるためにも、体が睡眠を求める傾向があります。
「寝たはずなのに疲れが取れないな」と感じたら、睡眠時間が足りていない場合がありますので、夜更かしを少しだけ我慢して早めの就寝を。
睡眠の質を高めるコツは?
快眠につながるポイントについて、下記のページで詳しくご紹介しています。
眠りのチェックと一緒に、ぜひご参照ください。
▼【睡眠の日】あなたの眠りについてチェックしてみませんか?
秋こそ「睡眠」で健やかに
秋は夏の疲れもあり、いつもより眠りたくなる時期。9月3日は「秋の睡眠の日」でもあります。
この機会にぐっすり眠れるよう、できることから試してみてください。
<参考文献>
荒木信夫監修
「イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める!自律神経のしくみ」
株式会社 西東社 2022年4月15日発行
筆者プロフィール
木野 いく