眠りの特集
自分に合う枕の高さとは? 簡易チェック方法とおすすめの選び方
私事ですが30歳を過ぎた頃、歯ぎしり・歯の食いしばりがひどくなり、枕の高さを見直すことを歯科医にすすめられましたが、自分に合う枕の高さがわからなくて困ったことがあります。
そこで今回は『自分に合う枕の高さ』の簡易的な調べ方と、枕を選ぶ時のポイントについてご紹介します。
Index
自分に合う枕とは?
人間はリラックスして立っている時の姿勢に近い状態で横たわると、体かかる負担が分散されて、快適に眠りやすくなると言われています。
理想的な姿勢を支えてリラックスするためには、敷き布団・マットレスの硬さと、枕の硬さや高さの組み合わせが重要です。
力を抜いてリラックスできない姿勢では、体が不自然に力んで緊張し続けることになり、起きた時に体の痛みやコリを感じる原因につながってしまうため、『リラックスして眠れる姿勢を支えられる枕』が、自分に合う枕と言えます。
また、使い始めたばかりの頃は『自分に合った高さで寝心地が良い』と感じる枕でも、毎日使い続けていくと少しずつ中身が劣化してヘタっていきます。
枕の寿命は中身の素材やご使用状況などにより異なりますが、一般的には約2~3年が目安です。
もしも朝起きた時に頭部や首の痛み、肩こりなど違和感があったり、2年以上同じ枕を使い続けている時は、まずマットレスなどよりも買い替えやすい『枕』からチェックしてみましょう。
▼枕の役割についておすすめ記事はこちら
自分に合う枕の高さ、簡易的なチェック方法
今使っている枕が自分に合っているのか、簡単なチェック方法がこちら。
- 壁に軽く背中をつけて、まっすぐリラックスした状態で立つ
- 首のカーブ(谷間)・後頭部と壁との距離を測る
- 壁との距離と、今使っている枕の高さを比べる
- 壁との距離と枕の高さの差が『±1~2cm』くらいならOK
壁に軽く背中をつけて、まっすぐリラックスした状態で立つ
背中、お尻、かかとを壁に付けるように立ってみて。
後頭部が壁につかない場合は、猫背やストレートネックの可能性があります。
無理をしないと壁に各部分がつかなかったり、体のどこかに痛みを感じる場合は、枕だけの問題ではないため、病院など専門機関にご相談ください。
首のカーブ(谷間)・後頭部と壁との距離を測る
誰かに見てもらい、定規などで測ってもらいましょう。
自分で測りたい場合は、タオルなどをすきまに挟んで、抜き取ったタオルの高さを測ってみて。
壁との距離と、今使っている枕の高さを比べる
『首・後頭部』それぞれの距離と高さを比べます。
- 枕の後頭部をのせる部分の高さと、後頭部の壁との距離
- 枕の首がのる部分の高さと、首と壁との距離
壁との距離と枕の高さの差が『±1~2cm』くらいならOK
実際に枕に頭をのせると、圧力がかかり沈みこむため差が出ます。
枕の中身がやわらかい素材の場合、もっと差が大きくても自分に合っていると感じる場合があり、反対に、枕の中身がかたい素材の場合は、もっと差が小さくても自分に合わないと感じることがあります。
簡易チェック方法は目安として
ひとりで壁との距離を正確に測ることは困難ですし、枕の高さは敷き布団などの影響も受けるため、簡易チェック方法で測った距離は、あくまでも目安としてご参照ください。
寝ながら枕の高さが自分に合っているかをチェックする方法は?
仰向きの時は、顔の傾きが『約5度』
額とあごを結んだフェイスラインが、水平と比べて『約5度』、胸の方に傾いている状態。
枕の『ふち』がしっかり肩に当たるように、枕を肩に引き寄せて。
軽くあごが引かれ、目線が真上よりやや下向きます。
首と肩の筋肉に力が入っていて、張っていたり違和感がないかチェックしましょう。
枕が高すぎると、あごを引きすぎて『のど』が圧迫され、呼吸がしにくくなりいびきをかきやすくなる場合も。
枕が低すぎると首の自然なカーブが崩れ、頭と首・肩の3点でバランスよく支えられず、首・肩のこりや寝違えなどを感じやすくなってしまいます。
横向きの時は、頭・首・背骨が『一直線』
枕と肩の間にすきまがない状態で。
目で壁などを見て、まっすぐ水平になっているかを目安にしましょう。
枕が高すぎたり、低すぎると首が不自然に曲がり、負担がかかってしまうことも。
寝返りをしてみる
枕の中央に頭をのせて、仰向けのまま両腕を胸の前に交差させた状態で、左右に寝返りをします。
スムーズに無理なく寝返りができる状態が理想的です。
睡眠中に、何度も寝返りをするため寝方は変わるもの。
仰向け・横向きどちらも無理のない姿勢ができる枕の高さで、寝返りもスムーズにできれば、途中で目が覚めにくくなり快眠にもつながっていきます。
枕の高さが自分に合っていても、寝心地が良くない理由は?
体が深く沈みこむマットレスの場合
低反発ウレタン素材など体の沈み込みが深い布団は、理想的な姿勢のまま全身がバランスよく沈み込んでいる場合があるため、枕を使わなくても眠れる可能性もあります。
枕なしで眠ってみて、翌朝の首などに違和感があれば、低めの枕を使ってみることもおすすめです。
枕の高さと全身のバランスも大切
自分に合った枕の高さでも、敷き布団やマットレスなどが『やわらかすぎる・かたすぎる』場合は、適した枕の高さが変わります。
枕の高さを調節しても寝心地が良くならない、と感じる場合は、敷き布団やマットレスが合っていない可能性もありますので、全身のバランスを気にしながら調節を。
枕のどの部分の高さを調節すればいい?
調節する枕の部分
仰向き寝姿勢の時は、枕中央部の上下を調節。
横向き寝姿勢の時は、枕の左右部分を調節します。
枕の高さ調節方法
高い場合は、中の素材を取り出す、調節用のシートがあれば取り外す。
低い場合は、中の素材を足す、調節用のシートがあれば付け足す、なければフェイスタオルなどを枕の下に敷いてみる。
高さを調節しては、寝てみて、また気になる部分を調節する、をくり返します。
枕は何を重視して選んだらいい?
枕を選ぶ時のポイント
- 高さを調節できるもの
- 自分の肩幅と同じか大きい横幅があるもの
- 頭・首に適度に沿うもの
- 熱(体温)がこもりにくいもの
高さ調節できるもの
姿勢や筋肉のこり、疲れなどは日々変化しますので、その日の体感に合わせて高さを調節できるものを選んで。
手間はかかってしまいますが、枕中央の上下部分と左右、合計『4ヵ所』以上の内部が仕切られていて、細かく高さ調節できるものの方がおすすめです。
枕の横幅・サイズ
寝返りしても頭が落ちにくいよう、自分の肩幅と同じか、それより大きい横幅がある枕がおすすめです。
スムーズな寝返りは、快眠につながります。頭が枕から落ちて、目が覚めてしまうことがないよう、ゆったり眠れるサイズを選びましょう。
頭・首に適度に沿うもの
枕の真ん中に頭をのせた時に、頭部から首元まで曲線に沿って、適度にフィットする硬さや構造の枕を選びましょう。
一般的に筋肉量が多い男性は硬め、筋肉量が少なめの女性はやわらかめの枕がフィットしやすいと言われています。
中央部分にくぼみがあったり、複数の材料を組み合わせたものを詰めていたり、独立したポケット状になっていて寝返りしても高さが変わりにくいものなど、様々な工夫をされた枕がありますので見比べてみてください。
熱がこもりにくい
眠っている間に枕へ移動した体温がこもると、寝汗などで蒸し暑く感じたり、寝にくく感じてしまう場合もあります。
枕の中身にパイプなど通気性があり、熱がこもりにくい素材を使っているものや、枕生地をメッシュ状の生地も適切に使っているなど、通気性を高めている枕がおすすめです。
好みの感触は最後に
パンのように、ふんわりやわらかい粒わた。
細かいビーズや低反発ウレタンのように、深く沈み込むやわらかさ。
沈みこまない、大きめビーズやパイプ、そば殻など、枕の中に詰める素材によって、感触は様々です。
起きる時まで自分に合った枕の高さを保ちたい時、自分好みの感触の素材では足りない場合があります。
感触・寝心地は、枕選びの最後にちょっと付け足すくらいがおすすめ。
自分で高さ調節する枕のおすすめはこちら
『みんまく』はオーダーメイド枕ではなく、自分で高さ調節をする枕なので、気になった時にすぐ高さを変えられます。
『オーダーメイド枕・じぶんまくら』を作成する際の計測データに基づいた枕の形で、より多くの方に合いやすい枕です。
▼標準体型の方や、とりあえず試してみたい場合はこちら
(※じぶんまくら公式オンラインショップへ移動します)
▼大柄な体型の方や、ゆったり寝返りしたい方、もっと簡単に高さ調節したい方はこちら
▼みんまくについて詳細はこちら
(※じぶんまくら公式オンラインショップへ移動します)
この他にも様々な枕から探してみたい方に、質問に答えるだけでおすすめの枕をご紹介するコーナーもございますので、ぜひご参照ください。
▼質問に答えて枕を選ぶ
(※じぶんまくら「お悩み別 枕の選び方」へ移動します)
自分に合う高さに調節できる枕で快眠を
快適な眠りのために、枕と敷き布団やマットレスが自分に合っていることが大切。睡眠の質が気になったり、朝起きた時に肩こりなど気になることがある時は、寝具の中で『枕』の見直しも検討してみてください。
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筆者プロフィール
木野 いく