眠りの特集
冬の睡眠を暖かく。掛け布団の選び方と寝具の組み合わせ
冬が近づくにつれて、布団の中で寒さを感じることが増えてきました。
今回は冬の眠りを暖かくするために、掛け布団は何を選べばいいのか、選び方のポイントと、寝具の組み合わせについてご紹介します。
布団は何を選んだら暖かく眠れる?
まずは「羽毛掛け布団」を
冬の寝具選びに迷ったら「羽毛掛け布団(羽毛布団)」をおすすめします。
その理由は、詰め物の「羽毛(ダウン)」がふっくらとふくらみ、布団の中に空気の層を作り出すから。
掛け布団は中に入っている素材が空気をたっぷり含んでふくらむほど、暖かい寝心地につながります。
自分自身の体温を外に逃さず、布団内部に留める「保温性(ほおんせい)」と「空気を含んでふくらむ具合」は羽毛が最も優れているため、冬にぴったりなのです。
最近では、ポリエステルなど化学繊維の中わたが入っている合繊布団も、機能性に優れた布団が増えてきました。
お手入れのしやすさは合繊布団の強みなので、暖かさより手軽さを重視する方や、羽毛特有の臭い・アレルギーが気になる方は合繊布団もおすすめです。
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暖かい寝具の組み合わせ方は?
体の上下それぞれに寒さ対策を
冬の睡眠を暖かくする、おすすめ寝具の使い方の一例はこちら。
布団に横たわった時、身体の上部から伝わってくる冷気・寒さを防ぐには「掛け布団+毛布」を重ねて。
身体の下部(背中側)から伝わってくる冷えには「敷きパッドや毛布」を使って寒さ対策をしましょう。
布団の上からの冷えには
- 天然繊維の毛布の上に、掛け布団を重ねる
- 掛け布団の上に、合成繊維の毛布を重ねる
天然繊維の毛布(綿毛布・ウール毛布・カシミヤ毛布など)は、掛け布団と体の間に掛ける方がおすすめ。
掛け布団と敷き布団との隙間が少なくなって、冷たい空気が入りにくくなるので、暖かく眠りやすくなります。
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ポリエステルやアクリルなど合成繊維の毛布は、「掛け布団の上」に重ねる方が、暖かくても蒸れにくくなります。
掛け布団の下にかけて、ふわふわの肌触りを楽しみたい場合は、パジャマや敷きパッドなどを蒸れにくい天然素材のものを選ぶ方がおすすめです。
また重すぎる合成繊維の毛布は、掛け布団の厚みが減って保温性が下がる場合がありますので、軽めのものを選びましょう。
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毛布を折り返すのもおすすめ
ロング(またはスーパーロング)毛布など長めの毛布の場合、先端を折り返すと胸元や首元が暖かく、隙間から冷気が入りにくくなるので、寒がりの方におすすめ。
ハーフサイズの毛布を半分に折って、掛け布団の端に折り入れて使っても。
布団の下からの冷えには
- フローリングの場合は、布団の下にマットレスや断熱シートなどを敷く
- 敷き布団やマットレスの上に、暖かい敷きパッドや毛布を敷く
- 敷き布団やマットレスの下、床やベッドフレームとの間に除湿シートを入れる
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パジャマ・布団カバー・敷きパッドの選び方は?
寝汗を吸収・放湿する素材も取り入れて
冬用のパジャマ・布団カバー・敷きパッドは、暖かいボアやフリース生地など、化学繊維(ポリエステルなど)のものが多くなりがち。
できれば「綿・絹(シルク)・羊毛(ウール)」など自然の素材を使っているものを、どれかひとつ組み合わせに入れて。
例えばガーゼ生地のものや、綿(コットン)素材、再生繊維のレーヨン、リヨセルなどを使った布団カバーと、暖かい敷きパッドや毛布と組み合わせるなど。
天然素材の寝具は、布団に入った瞬間や肌に触れると冷たく感じやすいのですが、寝汗を吸い取るため、蒸し暑くなりにくいのでおすすめです。
綿は品質により値段が変わり、安いものは肌触りが良くないなど心地よさを感じない場合があるためご注意ください。
おすすめ寝具一例
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買ってすぐ使うと糊がついて硬い状態の場合があるので、すぐ使う前に洗濯をしましょう。掛け布団の生地を傷めにくく、体に寄り添いやすくなります。
冬用のパジャマ
ポリエステルなど合成繊維のパジャマは、寝汗が吸収しきれず肌に残ったものが外気で冷やされ、肌寒さを感じる場合も。綿の下着をつける、他の寝具を天然繊維にする、または綿を混ぜた生地を使ったパジャマを選ぶなどのひと工夫がおすすめ。
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冬用の敷きパッド
表裏がそれぞれ、暖かいフランネル生地と、さわやかな使い心地のタオルのようなパイル生地に分かれた、リバーシブルタイプの敷きパッドが人気のアイテム。
春秋のやや肌寒い頃にはパイル生地面を、寒さが厳しくなってきたらひっくり返して暖かいフランネル面を肌に触れるように使い分けて、調整ができます。
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寒がりの方に選ばれているのが、湿気を吸って熱に変える「吸湿発熱」素材を使ったタイプです。
やや暖かさを感じにくいものの、脱脂綿を何層もの綿生地で挟んだ敷きパッドも年中使えて人気。
その他、羊毛が持つ暖かさ・蒸れにくさを活かすムートンシーツなどもあります。
毛布を体の上に掛けるのではなく、体の下に敷きパッドのように使う方法もありますが、組み合わせる寝具の素材にご注意を。
合成繊維の毛布を敷く場合は蒸し暑さを感じやすいので避けるか、組み合わせる掛け布団や布団カバー、パジャマや体に掛ける毛布などを、吸湿性・放湿性がある天然素材系のものを選ぶなど工夫してみてください。
布団に入った時のひんやり感を減らすには?
「電気毛布や湯たんぽ」で寝る前に暖めておく
羽毛布団や毛布、敷きパッドそのものが「暖かくなる」ものではないため、布団に入ったばかりの頃は冷たく寒さを感じることも。
自分の体温で布団内の空気が暖まるまで耐えられない方や、寒がりの方・冷え性の方などは「電気毛布や湯たんぽ」で、寝る前に布団の内側を暖めておきましょう。
蒸し暑くて目が覚めてしまうことを防ぐため、電気毛布は布団に入る前の短い時間だけ使ったり、湯たんぽには「ぬるま湯」を入れる、寝る時は外に出すなど調整を。
また冷え症でお困りの方には、眠っている間に温熱治療するタイプの敷きパッドなども寝具メーカーから販売されていますのでチェックしてみてください。
▼例えばこちら
布団を重ねる場合は2枚くらいがおすすめ
冬用の掛け布団などは厚み・重みがあるため、何枚も使うと重すぎて体に負担がかかってしまい、寝返りしにくくなって朝起きた時に体の不調を感じやすくなってしまいます。
布団や毛布などを重ねて使う場合は「約2枚」が理想的です。
2枚の掛け布団を重ねても寒さを感じる時は、寝室に入ってくる冷気対策や、エアコンなど空調機器を適切に使って室温調整することもご検討ください。
布団の暖かさを保つコツ
寝具に湿気が溜まると、カビや雑菌が発生してしまったり、布団やパジャマなどの暖かさが減ってしまうことも。
こまめに布団を室内干ししたり、パジャマ・敷きパッド・カバーなどを洗って湿気を飛ばしましょう。
布団乾燥機や除湿シートなども適切に使うことで、寝具に湿気がこもらないように工夫すると、暖かい寝心地が保ちやすくなります。
▼冬も暖かく眠るコツをこちらの記事でご紹介しています。ぜひご参照ください。
値段の違いで暖かさが変わる?
値段が高い羽毛布団を選べばいい?
冬用の羽毛布団は、1万円前後などの手頃な価格なだけで選ぶと、暖かさや掛け心地に満足できないこともあります。
ただ高額な羽毛布団がすべて良いわけでもなく、寝室の環境(室温や湿度がどれくらいなのか)によっては暖かすぎて、蒸し暑さを感じてしまうことも。
「温度・湿度計」を寝室に置いて、おおよその室温目安を参考に、適切な羽毛の割合・詰め物量の羽毛布団をお選びください。
羽毛布団を選ぶポイント
- 1:羽毛の割合が「ダウン90%以上」
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一般的に「ダウン○○%」と表記されています。綿毛のような羽毛が詰め物の中に使われている割合で「90%以上」がおすすめ。羽毛布団の中には小さな羽根の形をしたスモールフェザーなども混ぜて使い、ふっくら感を作り出していますが、羽毛の割合が低すぎるとふっくら感が少なくなってしまいます
- 2:詰め物の量「1.0kg以上」
- 詰め物が少ない羽毛布団は、温度が高めの季節に使うもの。冬用の羽毛布団は「1.0kg以上」入っているものを選びましょう。
- 3:布団の生地は「綿生地」を
- 「綿や絹」など天然素材を生地に使っている羽毛布団の方が、暖かいのに蒸れにくく、体に寄り添ってくれる羽毛布団の快適さを感じやすくなります。逆にポリエステルなどの合成繊維の生地は、羽毛の快適さを感じにくくなります。
お住まいの地域や住宅環境(一戸建て・マンションなどの集合住宅かどうか)などによって異なりますし、温度の感じ方も人それぞれ違うため、上記のポイントは最低限の目安としてご参照ください。
冬用の羽毛布団は数多く販売されておりますので、判断に迷う場合は信頼できる寝具専門店にご相談いただくことをおすすめします。
▼例えばこちらの羽毛布団以上のものを選ぶのがおすすめ
▼じぶんまくら公式オンラインショップでは、室温を目安に羽毛掛け布団をお選びいただけます。ぜひご参照ください。
冬は羽毛布団や機能性に優れた合繊布団を
暖かい寝心地は、掛け布団がふっくらふくらむものを使い、毛布や敷きパッドなども組み合わせて。湿気がこもりにくい素材をひとつでも取り入れたり、こまめに布団を干すなどお手入れも大切です。
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筆者プロフィール
木野 いく