眠りの特集
【整形外科医に聞く 第2回】腰痛の原因と予防・対処方法は?
じぶんまくら開発者・田中宏明専務が、友人の整形外科医 三宅先生に、多くの方が気になることを質問。
先生にご回答いただいた中から、テーマごとにまとめてご紹介します。
第2回目は「腰痛」についてです。
【日本整形外科学会専門医 三宅智先生】
愛知県愛知郡東郷町で「みやけ整形外科」を開院。
「地域の皆さんが元気に明るく暮らせるために」をモットーに日々患者さんと真摯に向き合っておられます。
▼みやけ整形外科公式サイトはこちら
(※公式サイトへ移動します)
約85%の人が原因がわからない腰痛に悩んでいる
腰痛を感じる背景はいろいろ
- 腰のまわりの痛み
- その人の社会的背景のこと
- その人の心理的背景のこと
など、いろんなことが合わさって腰痛が出ると言われています。
腰痛で受診しても原因が特定できない場合も
腰が痛いから受診した患者さんが検査した結果の異常と、患者さんの症状などが一致して「これですよ」とわかることを『特異的腰痛』。
一致せず、何となく検査結果の異常がある。何となく症状や痛みもあり、判断が分かれるようなものを『非特異的腰痛』と言い、約85%の人が当てはまります。
動く方が痛みを感じにくくなる
慢性的に腰痛がある人は
腰痛でお悩みの方は、痛いから動けない。
動けないから痛いんだ、と言われる方もいらっしゃいます。
普段から運動をする人と、あまり運動しない人を比べると、痛みの感じやすさが違います。
運動をしない人の方が痛みをより感じやすくて、普段から運動する人は痛みを感じにくいです。
痛んでいるところがあるんだけど、上手に動けることもあります。
慢性的に痛みが続いているような人は、無理しない範囲でちょっとずつ動いていく方が、ご本人にとってすごくいいと思います。
自分で動かす
病院の器具を使ったトレーニング、例えば首の牽引や電気を当てるのは、気持ちよくなるもので治療するものではありません。
自分で痛みをどうにかしたいと思うなら、運動器リハビリです。
理学療法士さんについてもらって、普段使っていない筋肉をどう動かすか使えるようにするかなど、運動の指導を受けて自重を使ったトレーニングがおすすめです。
寝返りできないと体に不調を感じやすくなる
寝返りは人が睡眠中でも行う、動くこと。
血液の流れを促したり、温まりすぎた体を冷やすなどのために、一晩に20回ほど寝返りをすると言われています。
実は、体の筋肉がだらっと力が抜ける睡眠はごくわずか。
寝てる時も多くの体の筋肉を動かして寝ています。
この大部分の筋肉・体にとって、上手に寝返りが打てないことは、ストレスを与えられながら寝ている状態になります。
起きて頭が痛くなったり、腰や肩など体のあちこちが痛くなるのは、寝ている最中にストレスが加わっている可能性もあります。
自分に適した寝具を使っていると、このストレスがないから調子が良くなるのかもしれません。
腰痛など体の不調を感じている方は、眠っている間に使う寝具を見直してみることもおすすめです。
痛みと仲良く付き合っていく
ひとりで抱え込まないで
人は痛みが続くと、ポジティブに考えられなくなってしまいます。
ポジティブに考えられないことで、実際に神経にダメージを与えてしまう。
痛みが強い人が「もう少し頑張る」ということができないことは、わかっています。
だからこそひとりで抱え込まず、理学療法士さんや周囲の方の助けを借りるなど、メンタルケアがとても大切。
メンタルケアをしながらトレーニングをして、痛みとの付き合っていきましょう。
動く方が痛みを感じにくい
原因がはっきりとわからないことが多い腰痛は、あまり動かないと痛みを感じやすくなります。痛みを感じにくくなり、少しでも動けるように、できる範囲で運動をしてみることをおすすめします。
筆者プロフィール
木野 いく