睡眠と子育て

中高生の夜更かしや睡眠不足はデメリットしかない!思春期の子どもに家族ができることは?

学生・高校生になると、小学生の頃とは生活リズムが大きく変わります。
毎日の授業時間は長くなったり、部活動、塾、アルバイト、友達との付き合いなどから、放課後の時間も学校生活と同じくらい濃密になってくるでしょう。

また、スマートフォンを持つようになる子どもも増え、家庭でも常に触っていたり、眠る前にいつまでも見ていたりするようにもなりますね。中学生・高校生などの思春期は、親の干渉に対して嫌がり、親の言うことや家庭のルールよりも外へと目が向き優先度が高くなります。

様々な生活環境や子ども自身の変化に伴い、心も体も成長しますが、大切なのは心と体をしっかり休ませる「睡眠」です。
ですが、近年はこのように生活の変化による思春期の睡眠不足が増えているのをご存知でしょうか。

睡眠不足は成長期の子どもにどのような影響があるのでしょうか。また、睡眠不足を改善するために家族ができることはなんでしょうか。

実情を交えながら解決策をお話ししましょう。

中高生の平均就寝時間は23時以降!常に睡眠不足の状態

中高生の就寝時間で、一番多いのが23時過ぎだと言われています。
翌朝は、通学時間を考えると6時から7時には起きたり登校したりするでしょう。

この場合睡眠時間は6時間から7時間程度になります。

文部科学省による「中高生を中心とした子供の生活習慣づくりの現状と課題について」の資料4ページによると、『13歳〜18歳までの子どもに必要な睡眠時間は8時間から9時間』と記載されています。

実際に中高生のお子さんを子育て中のご家庭ではいかがでしょうか。少なくとも22時位に眠ることで、しっかりと体が休まり精神的にも安定していくようです。
ですが、22時に寝るのはむずかしいのが現状かもしれません。
思春期のお子さんであれば、自分の部屋があることでしょう。少しずつ親子の距離感を意識し、あまり干渉しすぎないように注意しているご家庭もあるのではないでしょうか。

思春期は、自分のやりたいことや友達との関りに関して、口出しをされるのは嫌がる時期ですね。

ですが、睡眠不足は成長期であるお子さんに大きな影響があるというデータがあります。

参照:中高生を中心とした子供の生活習慣が心身へ与える影響等に関する検討委員会設置要綱/文部科学省

思春期の睡眠不足に及ぼす影響とは?

思春期は将来の社会的自立に向けた時期であり、生活習慣の乱れが将来的な自立に影響を与えるリスクがあると考えられています。

睡眠不足が中高生に及ぼす影響とは、どのようなことが考えられるのでしょうか。

夜遅くまで起きていると、朝起きるのが遅くなり、朝食を摂らずに登校する子どもも多いのが現実です。食事を摂らずに大切な学校生活を送ることは、日中の活動への影響・学力や運動能力への影響・非行、不登校、引きこもりなどの問題行動等に発展しやすくもなります。

例えば、

  • 暴力行為
  • 不登校
  • いじめ
  • 中途退学
  • 自殺

生活リズムや生活習慣の整っている家庭の子どもと比べ、このような行為の引き金になった理由の一つに、リズムの乱れた生活をしていることがあげられています。
全てのお子さんがそうなるということではありませんが、睡眠不足がその可能性を高めるのは確かです。

それでは思春期のむずかしい時期の子どもに対し、家庭ではどのような改善ができるのでしょうか。

「早寝・早起き」ではなく、「早起き→早寝」をしよう

保護者は心配のあまり「早く寝なさい。明日起きれないでしょ?」と言う毎日になりがち。
ですが、言うのをやめてみませんか。

その代わり早く起こす・起きることへ発想を転換しましょう。

そのためには家族も同じように正しい生活リズムで生活をすることが必要になります
午後10時までに家事や仕事を終わらせ、家の照明を消し家族みんなが休みます。

それぞれのお子さんの放課後事情や家族の勤務時間などによって変わってくることでしょう。家族みんなで話し合い、どのようにすれば早く眠り早く起きられるかを考えてみましょう。

例として挙げてみます。

〇子どもができること

  • 寝室でスマホを見る時間を決め約束をさせる。守らなかった場合の取り決めもする
  • 中学生の場合は特に、自室にスマホを持ち込ませないようにする
  • 部活動をしている子どもは勉強時間の確保について考える(早起きをして勉強するなど)
  • アルバイトのスケジュールを過剰にしない
  • 休みの日も早く起き、体内時計を狂わせない(遅くまで眠ることで夜型になりやすい)

〇家族ができること

  • 帰宅時間が遅くなる場合は朝に夕食の用意をしておく
  • 食器洗い・洗濯・掃除機がけなど家事は朝にするようにする
  • 家事や食事の用意など、手抜きをしたり外部に頼るなど妥協する
  • スマホの扱いについては毅然とした態度を取り、その日によって対応を変えない

思春期の子どもにとっては、眠る時間を削ってもスマホで友達とSNSでやり取りをすることの方が何より大事だと思っているでしょう。
SNSを夜にしなくなることで友達関係に不安を抱く、保護者に対して暴言を吐いたり暴力をふるうなど、家族にとっても心が折れてしまいそうな困難があるかもしれません。

それでも毅然として対応を変えることなく向き合いましょう。
それは何度もお伝えしているように、良質な睡眠時間の確保がなければ、

  • 情緒的には不機嫌で怒りっぽくなる
  • 意識がもうろうとして、集中力や記憶力が低下
  • ストレスが溜まり、ストレスホルモンが増える
  • 免疫力が低下して、病気にかかりやすくなる

このような心と体になってしまい、健康を損なうことが多いからなのです。

家庭の生活リズムを見直そう(まとめ)

生活リズムを急激に家族全員で変えるのは、大変なことでしょう。
大人もついつい夜更かしをしがちですが、実は夜更かしは「くつろぎ」ではなく、本当のくつろぎは「睡眠」なのです。

ご家庭のご事情もあるので、できるところからで構いません。家族全員の健康のために少しずつ見直してみてはいかがでしょうか。

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筆者プロフィール

炭本 まみ

北海道生まれ北海道育ち。保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。保育士資格・幼稚園教諭免許・発達障害コミュニケーション指導者資格を保有。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。未だに子育てに行き詰ることはあるものの、子育て記事を執筆しながら、自分自身の子育ても振り返る日々。趣味はキャンプと旅行とカメラ。
北海道生まれ北海道育ち。保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。保育士資格・幼稚園教諭免許・発達障害コミュニケーション指導者資格を保有。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。未だに子育てに行き詰ることはあるものの、子育て記事を執筆しながら、自分自身の子育ても振り返る日々。趣味はキャンプと旅行とカメラ。

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